【Pick up解説】たっぷり100問!模擬試験①

模擬試験

たっぷり100問!模擬試験①について解説依頼がありましたので、問題をpick upして解説させて頂きます。最後に、模擬試験を解いた方へのメッセージも記しております!

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はじめに

まずは、たっぷり100問!模擬試験①を解いてくださり、ありがとうございます!ここまで多くの反応を頂くとは思っておりませんでした。心より感謝申し上げます。

今回の模擬試験作成に当たって、1つ大事な意図がありました。それは、「本番で知らない単語に出会っても落ち着いて正解を見分ける」ことです。

例えば、この問題です。

ビタミンB12欠乏性貧血について誤っているのはどれか。

  1. 抗内因子抗体が検出されることがある。
  2. Hunter舌炎をきたす。
  3. 大球性高色素性貧血をきたす。
  4. 過分葉好中球を認める。
  5. 網赤血球数は減少している。

もし仮に「Hunter舌炎」という言葉を知らなかったとしましょう。マークシートを塗りつぶす音だけが響く教室で、本番という緊張感の中、知らない言葉が出てくると焦ります。それが本番の怖さです。
しかし、そこで焦って思考停止するのではなく、落ち着いて他の選択肢も見ましょう。5者択一(or択二)なので、選択肢が1つ分からなくても残り4つ分かれば解けます。落ち着いて選択肢3以降をみれば、解答を導くことが出来ます。

このサイトに辿り着いてくれたみなさんであれば、不安があってもそれ以上に勉強していると思います。なので、知らない単語に振り回されないように解き進めていってください!

第71回まで残り数日となりましたが、良い結果を掴みとって頂ければ嬉しく思います!

ではここから、模擬試験の解説をさせて頂きます!

問題10

ヒトの減数分裂の接合期(合糸期)に生じる染色体の変化で正しいのはどれか。

  1. 姉妹染色分体間で交差が生じる。
  2. キアズマが明瞭になる。
  3. 染色体数が半減する。
  4. 凝集して糸状の構造となる。
  5. 相同染色体同士が対合する。
解答:5

減数分裂に関する問題です。

裏解答例
  • 姉妹染色分体間で交差が生じる → 太糸期
  • キアズマが明瞭になる → 複糸期
  • 染色体数が半減する → 第一減数分裂終期
  • 凝集して糸状の構造となる → 細糸期
  • 相同染色体同士が対合する → 接合期

減数分裂には相同染色体同士が対合した後に相同染色体が分離する第一減数分裂、その後に姉妹染色分体が分離する第二減数分裂があります。

第一減数分裂は前期・中期・後期・終期に分かれますが、前期はさらに細糸期接合期合糸期)・太糸期厚糸期)・複糸期移動期の5つに区分されます。

第一減数分裂前期

上図のように、接合期(合糸期)において相同染色体が対合して二価染色体となり、続く厚糸期にかけて相同染色体の姉妹染色分体間で交差が生じます。その部分(交差点:キアズマ)が複糸期に明瞭となります。

問題52

増殖性炎はどれか。2つ選べ。

  1. 蜂窩織炎
  2. インフルエンザ肺炎
  3. 腎盂腎炎
  4. 肝硬変
  5. 肺線維症
解答:4,5

炎症に関する問題です。

裏解答例
  • 蜂窩織炎 → 化膿性炎
  • インフルエンザ肺炎 → 出血性炎
  • 腎盂腎炎 → 化膿性炎
  • 肝硬変 → 増殖性炎
  • 肺線維症 → 増殖性炎

原因や個体の条件により、炎症は様々な型に分類されますが、特に重要なのは以下の2つです。

増殖性炎:線維芽細胞の増殖が主体となる炎症
肝硬変肺線維症など)

特異性炎肉芽腫をつくる炎症
梅毒・ハンセン病・結核サルコイドーシスなど)

増殖性炎は、線維が増加する病態という認識で大丈夫です。例えば肝硬変は、肝細胞が破壊と再生を繰り返す過程で肝臓の線維化が進みます。肺線維症も同様で、何らかの理由で肺胞に傷ができ、それを修復する過程を繰り返すことで線維化が進みます。

問題54

免疫組織化学染色で正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 抗原抗体反応を利用する染色法である。
  2. 標識酵素として西洋わさびペルオキシダーゼが用いられる。
  3. 発色基質としてビオチンが用いられる。
  4. 内因性ペルオキシダーゼの失活法にはオートクレーブ法がある。
  5. 抗原賦活化では過酸化水素加メタノールを用いる。
解答:1,2

免疫組織化学染色に関する問題です。

裏解答例
  • 抗原抗体反応を利用する染色法である → 〇
  • 標識酵素として西洋わさびペルオキシダーゼが用いられる → 〇(ALPアルカリホスファターゼもよく用いられる)
  • 発色基質としてビオチンが用いられる → 発色基質はジアミノベンチジン(DAB)がよく用いられる。
  • 内因性ペルオキシダーゼの失活法にはオートクレーブ法がある → 過酸化水素水や過ヨウ素酸水溶液、過酸化水素加メタノールなどを用いる方法がある。オートクレーブ法抗原賦活化に用いられる。
  • 抗原賦活化では過酸化水素加メタノールを用いる → 電子レンジ法オートクレーブ法が用いられる。過酸化水素加メタノールは内因性ペルオキシダーゼの失活に用いる。

免疫組織化学染色は、抗原抗体反応を利用して目的抗原を可視化する手法で、酵素抗体法蛍光抗体法などがあります。

酵素抗体法では、標識酵素活性を利用して基質を発色させ、可視化します。標識酵素としては西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)やアルカリホスファターゼ(ALP)があります。HRPを標識酵素として用いる場合、発色基質としてジアミノベンチジン(DAB)がよく用いられます。

酵素抗体法では、抗体添加前に抗原賦活化や内因性酵素ブロッキング、非特異反応ブロッキングなどの処理を行う必要があります。
ホルマリン固定を行った組織では、メチレン架橋等により蛋白質構造が変化したり、抗原決定基マスキングが起こっており、そのままだと抗原抗体反応がうまくいかない可能性があります。そこで、電子レンジ法オートクレーブ法圧力鍋法温浴槽法プロテアーゼ処理などの抗原賦活化を行います。

またHRPを標識酵素とする場合、内因性ペルオキシダーゼ活性(好酸球など)や偽ペルオキシダーゼ活性赤血球中ヘモグロビン)を除去しなければ、目的抗原由来の発色なのか、内因性の発色なのか区別がつきません。
内因性ペルオキシダーゼのブロッキングには、過酸化水素水や過ヨウ素酸水溶液、過酸化水素加メタノールなどを用います。
ALPを標識酵素とする際は、ホルマリン固定パラフィン切片では内因性ALPがほとんど失活しているため、内因性ALPのブロッキングは必要ありません

さらに、様々な原因により非特異反応が起こる可能性があるため、正常動物血清やカゼイン溶液、ウシ血清アルブミンを用いて非特異反応のブロッキングを行うこともあります。

ちなみに蛍光抗体法の場合、内因性酵素活性のブロッキングは必要ありません

問題58

細胞学的検査における遠心沈殿法について誤っているのはどれか。

  1. 遠沈は2000~3000回転で3~5分間行う。
  2. 細胞成分が多いときは、引く速度を早くすると見やすい標本ができる。
  3. 体腔液検体では抗凝固剤を必要とする。
  4. 脳脊髄液は低速遠心を行う。
  5. 沈渣の塗抹は引きガラス法で行う。
解答:2

遠心沈殿法に関する問題です。

裏解答例
  • 遠沈は2000~3000回転で3~5分間行う → 〇
  • 細胞成分が多いときは、引く速度を早くすると見やすい標本ができる → 遅くすることで塗抹範囲が長くなり、細胞成分が散らばり見やすくなる。
  • 体腔液検体では抗凝固剤を必要とする → 〇(細胞変性が進むため入れないこともある)
  • 脳脊髄液は低速遠心を行う → 〇(細胞が壊れやすいため)
  • 沈渣の塗抹は引きガラス法で行う → 〇(すり合わせ法も用いられる)

体腔液や髄液、尿などは採取後に細胞が浮遊しているため、遠心を行い細胞成分を沈殿させます。体腔液の場合、抗凝固剤を入れる場合もあります(抗凝固剤を入れず、直ちに処理することも)。

引きガラス法の場合、細胞成分が多い(濃い)場合は引く速度を遅くすることで塗抹範囲が長くなり、細胞成分が散らばり見やすくなります。

遠沈は2000~3000回転で3~5分間行いますが、脳脊髄液の場合は細胞が壊れやすいため低速遠心(700~1000回転で5~10分)を行います。

遠心沈殿法により得られた沈渣は、すり合わせ法か引きガラス法を用いて塗抹します。

問題66

ビタミンB12欠乏性貧血について誤っているのはどれか。

  1. 抗内因子抗体が検出されることがある。
  2. Hunter舌炎をきたす。
  3. 大球性高色素性貧血をきたす。
  4. 過分葉好中球を認める。
  5. 網赤血球数は減少している。
解答:3

ビタミンB12欠乏性貧血に関する問題です。

裏解答例
  • 抗内因子抗体が検出されることがある → 〇(悪性貧血)
  • Hunter舌炎をきたす → 〇
  • 大球性高色素性貧血をきたす → 大球性正色素性貧血をきたす。
  • 過分葉好中球を認める → 〇
  • 網赤血球数は減少している → 〇

ビタミンB12欠乏性貧血巨赤芽球性貧血の1つで、ビタミンB12欠乏によりDNA合成が障害されて発症します。
日本におけるビタミンB12欠乏の原因としては、抗内因子抗体抗胃壁細胞抗体によりビタミンB12の吸収が阻害される(悪性貧血)ことや、胃全摘後に内因子が分泌されずビタミンB12が吸収できないことがほとんどです。

症状としては貧血に加え、Hunter舌炎(舌が発赤して食べ物がしみる)や神経症状(四肢のしびれ・視力障害など)が出現します。

検査所見としては、大球性正色素性貧血(MCV≧100fL・MCHC正常)が認められます。DNA合成障害のため、白血球数血小板数減少します(汎血球減少)。

核と細胞質の成熟度にアンバランスが生じた(核-細胞質成熟乖離)細胞は、骨髄内でアポトーシスを起こします(無効造血)。そのため間接ビリルビンLD高値を示しますが、網赤血球数減少します。

巨赤芽球性貧血の病態

血液塗抹標本では過分葉好中球(5分葉以上)の増加を認め、骨髄穿刺検査では巨赤芽球や巨大後骨髄球を認めます。

悪性貧血や胃全摘患者では、一生涯ビタミンB12非経口的(悪性貧血:自己抗体による阻害を免れるため、胃全摘:胃が無く経口投与では吸収できないため)に投与することで治療します。

問題81

モノクローナル抗体作製法について正しいのはどれか。

  1. B細胞と造血幹細胞のハイブリドーマを作製する。
  2. HAT培地を用いる。
  3. B細胞同士の融合細胞はアミノプテリンにより死滅する。
  4. チミジンはsalvage経路を阻害する。
  5. 細胞融合剤としてヒポキサンチンを用いる。
解答:2

モノクローナル抗体作製法に関する問題です。

裏解答例
  • B細胞と造血幹細胞のハイブリドーマを作製する → B細胞と腫瘍細胞のハイブリドーマを作製する。
  • HAT培地を用いる → 〇
  • B細胞同士の融合細胞はアミノプテリンにより死滅する → 寿命により死滅。
  • チミジンはsalvage経路を阻害する → チミジンヒポキサンチンの存在下でsalvage経路が働く。
  • 細胞融合剤としてヒポキサンチンを用いる → ポリエチレングリコール(PEG)を用いる。

モノクローナル抗体とは、1つのB細胞クローン(例:IgG産生B細胞)に由来する均一な抗体のことです。この抗体を作製するには、マウス脾臓B細胞マウス形質細胞腫ポリエチレングリコール(PEG)などで細胞融合させ、形質細胞(B細胞)の抗体産生能と形質細胞腫の増殖能を兼ね備えたハイブリドーマを作製し、そこから分泌される抗体を精製します。

そこで登場するのが、融合細胞の選別に用いられるHAT培地(H:ヒポキサンチン A:アミノプテリン T:チミジン)です。例えば、B細胞と腫瘍細胞(形質細胞腫)を融合させた場合、融合細胞には ①B細胞+B細胞 ②B細胞+腫瘍細胞 ③腫瘍細胞+腫瘍細胞 3つの組み合わせが考えられます。欲しい細胞は②の組み合わせなので、それ以外の①と③はこの培地を用いて死滅させ、結果②だけが生き残るという訳です。

モノクローナル抗体作製法

ここで用いる腫瘍細胞には、ある工夫を施しています。それはヌクレオチド合成経路の1つであるsalvage経路が変異により働かない形質細胞腫由来の腫瘍細胞を用いる事です。ふつう、ヌクレオチド合成経路はde novo経路salvage経路の2つあり、片方が働かなくても、もう片方が生き残っていれば問題ありません。

しかし、この腫瘍細胞にアミノプテリン(aminopterin)を加えるとde novo経路阻害されます。つまり、元々salvage経路が働かない腫瘍細胞のde novo経路も阻害されるため、③腫瘍細胞+腫瘍細胞 の組み合わせは死滅します
①B細胞+B細胞 の組み合わせは、寿命により死滅します。このようにHAT培地を用いることで、②B細胞+腫瘍細胞 の組み合わせ(半永久的に抗体を産生し続けることができるハイブリドーマ)を選択的に生き残らせることが出来ます。

ちなみに、チミジン(thymidine)とヒポキサンチン(hypoxanthine)はsalvage経路の働きに必須なため培地中に含まれています。

問題87

次の不規則抗体のうち、最も生理食塩液法で検出されやすいのはどれか。

  1. 抗C抗体
  2. 抗E抗体
  3. 抗Fya抗体
  4. 抗P1抗体
  5. 抗Jkb抗体
解答:4

不規則抗体の検出に関する問題です。

裏解答例
  • 抗C抗体 → IgG抗体
  • 抗E抗体 → IgG抗体
  • 抗Fya抗体 → IgG抗体
  • 抗P1抗体 → IgM抗体(最も検出されやすい)
  • 抗Jkb抗体 → IgG抗体

不規則抗体検査法には、生理食塩液法蛋白分解酵素法、アルブミン法、間接抗グロブリン試験間接クームス試験)などがあり、これらを組み合わせて検査を行います。

生理食塩液法:主としてIgM抗体である冷式抗体を検出できる
(抗Lea・抗Leb抗M抗N抗P1等)

蛋白分解酵素法:様々な抗体の検出に優れているが、特に産生初期の抗E抗体の検出感度が高い
※抗原構造の一部にシアル酸を持つMNSsDuffyXgでは抗原が破壊されるため、これらに対する抗体は検出できない。

間接抗グロブリン試験間接クームス試験):ほとんどのIgG抗体を検出できる
(抗D・抗E・抗C・抗e・抗c・抗K・抗k・抗Fya・抗Fyb・抗Jka・抗Jkb・抗S・抗s等)

最後に

最後になりましたが、模擬試験を解いてくださった方過去問解説を見てくださった方このサイトの存在を知ってくださった方、皆さんに感謝申し上げます!

是非、良い結果を掴み取ってきてください!!応援しています!

コメント

  1. より:

    国試まであと3日でこちらの模擬試験といたところ55点でした。正直、国試受かるかすごく不安です。
    国試までの残り時間でこの模擬試験で間違えたところを調べるか、自分のノートまとめを見返すかどちらがいいと思いますか?

    • R より:

      コメントありがとうございます。
      今回の模擬試験はあくまで知識確認や調べるきっかけになることを目的としていたため、この結果だけを鵜吞みにする必要はありません。また、国家試験よりも少し難易度を高く設定しているため、本番で120点を超える可能性は十分あります。
      ご質問に関してですが、時間の問題もあると思いますが、できればどちらも行うことが望ましいです。もしどちらかを選ぶ場合は、退屈にならない方を選ぶと良いかと考えます。もしまとめノートを見返すだけでは頭に入っている感じがしない場合、能動的な動作である「この模擬試験で間違えたところを調べる」をおすすめします。
      残り数日ですが、最後まで諦めず勉強し続けた方だけが合格できると思いますので、頑張ってください!応援しています!

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