第70回 臨床検査技師国家試験 過去問解説AM(29~44)です。間違いやご要望等ありましたらコメントしていただけると嬉しいです!
問題出典:https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/dl/tp240424-07a_01.pdf
AM 29(臨床化学)
水、10 mg/dL 標準液、血清の終点分析法における反応終了後の吸光度を測定したところそれぞれ 0.02、0.30、0.16 であった。血清中に含まれる物質の濃度[mg/dL]で正しいのはどれか。
- 5.0
- 5.2
- 5.4
- 5.6
- 5.8
解答:1
終点分析法の計算問題です。
- 5.0 → 〇
血清濃度={(血清の吸光度−水の吸光度)/(標準液の吸光度−水の吸光度)}×標準液の濃度={(0.16−0.02)/(0.30−0.02)}×10=(0.14/0.28)×10=5.0 mg/dL - 5.2 → ×
- 5.4 → ×
- 5.6 → ×
- 5.8 → ×
文字だけだと説明が少し難しいので、簡単な図(縦軸:吸光度)を使って説明してみます。

もし水(ブランク)の吸光度が0だったら、血清に含まれる物質の濃度をxとすると、
0.30:0.16=10:x
で求められます。
しかし今回、水(ブランク)の吸光度は0.02です。言い換えると、水によって標準液と血清の吸光度が本来の値より0.02増えているということです。

したがって本来の吸光度は、
0.30-0.02=0.28(10mg/dL標準液)
0.16-0.02=0.14(血清)
なので、求める式は
0.28:0.14=10:x x=5(mg/dL) となります。
AM 30(臨床化学)
マグネシウムで正しいのはどれか。
- EDTA 加血漿では低値となる。
- 欠乏すると味覚障害を引き起こす。
- 細胞内液より細胞外液に多く含まれる。
- 血清中では90%がイオン型で存在する。
- ホスホリパーゼDを用いた酵素法にて測定される。
解答:1
マグネシウムに関する問題です。
- EDTA 加血漿では低値となる。 → 〇(キレート結合により低値)
- 欠乏すると
味覚障害を引き起こす。 → 虚血性心疾患などに関与するとされている。味覚障害はZn欠乏により引き起こされる。 細胞内液より細胞外液に多く含まれる。 → 細胞内液より細胞外液に多く含まれる。- 血清中では
90%がイオン型で存在する。 → イオン型は約55%。 ホスホリパーゼDを用いた酵素法にて測定される。 → 酵素法としてはヘキソキナーゼやグルコキナーゼ、イソクエン酸デヒドロゲナーゼ、グルセロールキナーゼが用いられる。ホスホリパーゼDはCa測定に用いられる。
マグネシウム(Mg)は、約60%が骨に存在し、細胞外液に存在するのは約1%です。血漿Mgはイオン型が約55%、タンパク結合型(アルブミン)が約30%ですが、イオン化比率にはpH依存性があります(アシドーシスでイオン化比率増加:アルブミンの荷電状態が正に偏り、Mgがもつ正電荷と反発するため)。
基準範囲は1.9~2.5mg/dLで、EDTA採血は偽低値を示します(Mgのキレート)。
MgはCaと拮抗的に働くため、Mgが上昇するとCaが低下します(逆も同じ)。糖質コルチコイドや鉱質コルチコイド、甲状腺ホルモンはMgの尿中への排泄を促進します。そのため腎不全や甲状腺機能低下症、Addison病ではMg高値を示します。
測定法としてはキレート比色法や酵素法が挙げられます。前者はキシリジルブルー試薬やチタンイエローが用いられ、後者はヘキソキナーゼ、グルコキナーゼ、イソクエン酸デヒドロゲナーゼ、グリセロールキナーゼが用いられます(340nmの吸光度増加)。
AM 31(臨床化学)
アガロースゲルを用いたリポ蛋白電気泳動で、β 位と pre β 位に強い染色像が認められた。WHO 脂質異常症タイプ分類で考えられるのはどれか。
- TypeⅠ
- TypeⅡa
- TypeⅡb
- TypeⅣ
- TypeⅤ
解答:3
WHO脂質異常症タイプ分類の問題です。
- TypeⅠ → 原点位(CM)
- TypeⅡa → β位(LDL)
- TypeⅡb → ○{β位+preβ位(LDL+VLDL)}
- TypeⅣ → preβ位(VLDL)
- TypeⅤ → 原点位+preβ位(CM+VLDL)
アガロースゲル電気泳動は、血清リポタンパクの分画法としてよく用いられます。一般的にリポタンパクは原点位(CM:カイロミクロン)、β位(LDL)、preβ位(VLDL)、α位(HDL)に泳動されます。
この知識を基にWHO脂質異常症タイプ分類を見てみましょう。
| 分類 | 増加リポタンパク | 血清脂質 | 病因 |
|---|---|---|---|
| TypeⅠ | CM | Cho↑ TG↑↑↑ | LPL欠損 アポCⅡ欠損 |
| TypeⅡa | LDL | Cho↑↑↑ TG→ | LDL受容体異常 |
| TypeⅡb | LDL+VLDL | Cho↑↑ TG↑↑ | 不明 |
| TypeⅢ | β-VLDL | Cho↑↑ TG↑↑ | アポE異常 |
| TypeⅣ | VLDL | Cho→↑ TG↑↑ | 不明 |
| TypeⅤ | CM+VLDL | Cho↑ TG↑↑↑ | LPL欠損ヘテロ? |
Cho(コレステロール)やTG(中性脂肪)が上がるかどうかは、増加するリポタンパク質に多く含まれる脂質に依存する(TypeⅠであればCMに多く含まれるTGが増加)ため、覚える必要はありません。
アポリポタンパクについてはこちらから確認しておきましょう(AM31)!未だ不明な所も多いため、出るところは限られています!必ず得点しましょう!
AM 32(臨床化学)
尿素で正しいのはどれか。
- 血中濃度は小児が成人よりも高い。
- ウリカーゼによって加水分解される。
- 消化管出血により血中濃度が減少する。
- 血中非蛋白性窒素の中で最も濃度が高い。
- 生体内でアルドラーゼによって生成される。
解答:4
尿素に関する問題です。
- 血中濃度は小児が成人よりも
高い。 → 0~2歳までは成人より低値だが、その後は同じレベルを示す。 ウリカーゼによって加水分解される。 → ウレアーゼにより加水分解される。ウリカーゼで加水分解されるのは尿酸。- 消化管出血により血中濃度が
減少する。 → 血中アミノ酸が分解されアンモニアを産生し、それが尿素に変換され増加する。 - 血中非蛋白性窒素の中で最も濃度が高い。 → 〇
- 生体内で
アルドラーゼによって生成される。 → 尿素はアルギナーゼにより肝臓で生成。
尿素は肝臓でアンモニアから生成され(尿素回路)、血中非タンパク性窒素化合物の中で最も高濃度を示します。尿素回路は、アンモニアと二酸化炭素からカルバモイルリン酸シンテターゼ(律速酵素)によりカルバモイルリン酸が生成され、シトルリン、アルギニノコハク酸を経てアルギニンとなり、アルギナーゼにより尿素とオルニチンに分解される経路です(覚えていない人は一度必ず確認!)。
生成された尿素は、腎臓から尿中に排泄されます。
基準範囲は8~20mg/dLで、女性の方が低いです。消化管出血(尿素過剰産生)、腎不全(排泄障害)などで高値、劇症肝炎(尿素産生低下)などで低値を示します。
消化管出血では、血液に含まれるアミノ酸などが腸内細菌により分解されてアンモニアを産生し、それが肝臓で尿素に変換されるため高値を示し、腎不全では本来排泄されるべき尿素が腎機能低下により排泄されず高値を示します。
劇症肝炎では、肝機能低下により尿素回路が働かずに低値を示します(アンモニアは高値)。
分析法としてはウレアーゼ・グルタミン酸脱水素酵素(GLDH)法やウレアーゼ・ロイシン脱水素酵素(LED)法などが代表的です。前者は340nmのNADPH減少を初速度分析法で測定し、後者は340nmのNADH減少を初速度分析法で測定します。
AM 33(臨床化学)
AST 活性測定用試薬(日本臨床化学会〈JSCC〉勧告法)に含まれないのはどれか。
- NADH
- オキサロ酢酸
- L-アスパラギン酸
- リンゴ酸脱水素酵素
- 2-オキソグルタル酸
解答:2
AST活性測定に関する問題です。
- NADH → 〇(340nmのNADH減少量を測定)
- オキサロ酢酸 → ASTにより生成されるため、測定試薬に含まれない。
- L-アスパラギン酸 → 〇(基質の1つとして含まれる)
- リンゴ酸脱水素酵素 → 〇(共役酵素として含まれる)
- 2-オキソグルタル酸 → ○(基質の1つとして含まれる)
AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)は、アミノ酸のα位にあるアミノ基と2-オキソ酸のカルボニル基の交換反応を触媒する代表的酵素です。ピリドキサルリン酸(PLP)を補酵素とし、分子量約90000で2種類のアイソザイム(c-AST・m-AST)が存在します。
JSCC勧告法では、L-アスパラギン酸と2-オキソグルタル酸を基質としてASTを反応させ、生成したオキサロ酢酸にリンゴ酸デヒドロゲナーゼを作用させ、NADHの減少量を340nmで測定します。
したがって、AST測定試薬にオキサロ酢酸は含まれていません(反応により生成される)。
※発展:AST測定試薬には、内因性ピルビン酸除去・オキサロ酢酸由来ピルビン酸除去を目的として乳酸デヒドロゲナーゼ(LD)が含まれています。また、JSCC勧告法ではPLPが含まれていないためホロ型ASTのみが測定されています。
基準範囲は成人で13~30U/Lです。赤血球中濃度が血漿濃度の約40倍なため、溶血血清で偽高値を示します。
ASTは肝臓、心臓、骨格筋などの幅広い臓器・組織に分布しており、様々な疾患で高値を示します。そのため単独で評価されることは少なく、肝臓特異的酵素であるALTと組み合わせて評価されます。
急性肝炎や劇症肝炎ではAST・ALT共に500U/L以上となることが多く、特に初期ではAST>ALT、その後はAST<ALTとなります。この理由は、肝細胞内に含まれるASTがALTの約3倍であるため初期はASTの方が高値を示しますが、半減期はALTがASTの約3倍の長さを示すため時間経過と共にAST<ALTとなるからです。
AM 34(臨床化学)
敗血症マーカーはどれか。
- KL-6
- シスタチン C
- プレセプシン
- アンジオテンシン変換酵素〈ACE〉
- N-アセチルグルコサミニダーゼ〈NAG〉
解答:3
敗血症マーカーに関する問題です。
- KL-6 → 間質性肺炎マーカー
- シスタチン C → 糸球体機能評価マーカー
- プレセプシン → 〇
- アンジオテンシン変換酵素〈ACE〉 → サルコイドーシスマーカー
- N-アセチルグルコサミニダーゼ〈NAG〉 → 尿細管障害マーカー
代表的な敗血症マーカーには、エンドトキシン・プロカルシトニン・プレセプシンがあります。
KL-6はSP-Dと共に間質性肺炎のマーカー、アンジオテンシン変換酵素(ACE)はサルコイドーシスのマーカー、N-アセチルグルコサミニダーゼ(NAG)は尿細管障害マーカーとして用いられます。
詳しくはこちらにまとめています(AM12)!!
AM 35(臨床化学)
グルコースオキシダーゼ法による血糖測定で利用する酵素はどれか。
- α-アミラーゼ
- α-グルコシダーゼ
- グルコース-6-ホスファターゼ
- マルターゼ
- ムタロターゼ
解答:5
血糖測定法に関する問題です。
- α-アミラーゼ → 血糖測定に用いられない(Ca測定に用いられることがある)
- α-グルコシダーゼ → 血糖測定に用いられない{アミラーゼ測定に用いられる(共役酵素)}。
- グルコース-6-ホスファターゼ → 血糖測定に用いられない(グルコース-6-リン酸からリン酸を取ってグルコースを生成する酵素)
- マルターゼ → 血糖測定に用いられない(マルトースを分解する酵素)
- ムタロターゼ → 〇(グルコースのα型をβ型に異性化に関与)
血糖測定法には様々あり、ヘキソキナーゼ・グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ(HK-G6PD)法やグルコースオキシダーゼ(GOD)法などがあります。
GOD法は以下の反応によりグルコースを測定します。
α-D-グルコース → β-D-グルコース
β-D-グルコース + O2 +H2O → D-グルコン酸 + H2O2
ポイントは、GODがβ-D-グルコースに作用するため、予めムタロターゼを加えることでα型をβ型に変換する点です!
AM 36(臨床化学)
血中の半減期が最も長いのはどれか。
- ALT
- AST
- CK
- LD5
- α-アミラーゼ
解答:1
酵素と半減期に関する問題です。
- ALT → ○(約47時間)
- AST → 約17時間
- CK → 約15時間
- LD5 → 約10時間
- α-アミラーゼ → 約3時間
半減期は正直覚えるしかないので、以下の表で一気に覚えてしまいましょう!
| 酵素名 | 半減期(時間) |
|---|---|
| アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ (AST) | 17 |
| アラニンアミノトランスフェラーゼ (ALT) | 47 |
| 乳酸デヒドロゲナーゼ (LD) | LD1:100 LD5:10 LD5に近づくにつれて半減期が短い |
| クレアチンキナーゼ (CK) | CK-MM:15 CK-MB:12 CK-BB:3 |
| アルカリ性ホスファターゼ (ALP) | 肝型ALP:144 骨型ALP:48 胎盤型ALP:240 |
| アミラーゼ (AMY) | 3 |
AM 37(臨床化学)
ALPで誤っているのはどれか。
- ALP1 は閉塞性黄疸で上昇する。
- ALP2 は ABO 血液型の影響を受ける。
- ALP3 は小児期に高値を示す。
- ALP4 は妊娠後期に上昇する。
- ALP5 は食事の影響を受ける。
解答:2
ALPに関する問題です。
- ALP1は閉塞性黄疸で上昇する。 → 〇
- ALP2は
ABO血液型の影響を受ける。 → ALP2は肝胆道系疾患で高値を示す。ABO血液型の影響を受けるのはALP5。 - ALP3は小児期に高値を示す。 → 〇
- ALP4は妊娠後期に上昇する。 → 〇(妊娠中の減少は流産等を示唆)
- ALP5は食事の影響を受ける。 → 〇(B型、O型)
ALPはこちら(AM40)で詳しく解説しているため、ここではアイソザイムについて説明します!
アイソザイムは6種類存在し、それぞれ高分子肝型ALP(ALP1)、肝型ALP(ALP2)、骨型ALP(ALP3)、胎盤型ALP(ALP4)、小腸型ALP(ALP5)、免疫グロブリン結合型ALP(ALP6)に分けられます。
| ALPアイソザイム | 臨床的意義 | 備考 |
|---|---|---|
| 高分子肝型ALP(ALP1) | 閉塞性黄疸で著増 | セルロースアセテート膜電気泳動では最も陽極側 ポリアクリルアミドゲル電気泳動では最も陰極側 |
| 肝型ALP(ALP2) | 肝胆道系疾患でALP著増 | 健常者主要アイソザイム |
| 骨型ALP(ALP3) | 悪性腫瘍の骨転移、甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能亢進症、骨折修復時などで高値 | 健常者主要アイソザイム |
| 胎盤型ALP(ALP4) | 妊娠後期に上昇 異常妊娠や流産で低値 | 耐熱性(65℃、10分間で不活化しない) |
| 小腸型ALP(ALP5) | 肝硬変、腎不全、糖尿病などで上昇 | 血液型依存性高ALP血症(B型・O型)の原因 B型・O型で分泌型の場合、夕食に高脂肪食を摂取すると翌朝ALPが高値を示す L-フェニルアラニンで阻害される |
| 免疫グロブリン結合型ALP(ALP6) | 潰瘍性大腸炎で高値 | セルロースアセテート膜電気泳動では最も陰極側 |
AM 38(臨床化学)
ペプチドホルモンはどれか。 2 つ選べ。
- アドレナリン
- アルドステロン
- カルシトニン
- サイロキシン
- 副甲状腺ホルモン〈PTH〉
解答:3,5
ホルモンに関する問題です。
- アドレナリン → カテコールアミン
- アルドステロン → ステロイドホルモン
- カルシトニン → ○(ペプチドホルモン)
- サイロキシン → アミノ酸誘導体ホルモン
- 副甲状腺ホルモン〈PTH〉 → ○(ペプチドホルモン)
ホルモンは、その化学構造によりペプチドホルモン・アミノ酸誘導体ホルモン・ステロイドホルモンに分類されます。特にアミノ酸誘導体ホルモンとステロイドホルモンを覚えましょう!
| ペプチドホルモン | アミノ酸誘導体ホルモン | ステロイドホルモン |
|---|---|---|
| 視床下部ホルモン 成長ホルモン(GH) 卵胞刺激ホルモン(LH) 黄体形成ホルモン(FSH) 甲状腺刺激ホルモン(TSH) 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH) プロラクチン(PRL) バソプレシン(AVP) オキシトシン パラソルモン(PTH) カルシトニン レニン ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG) ガストリン インクレチン インスリン グルカゴン ソマトスタチン | 甲状腺ホルモン アドレナリン ノルアドレナリン | コルチゾール アルドステロン 副腎アンドロゲン 男性ホルモン エストロゲン(卵胞ホルモン) プロゲステロン(黄体ホルモン) |
また、卵胞刺激ホルモン(LH)・黄体形成ホルモン(FSH)・甲状腺刺激ホルモン(TSH)・ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)は厳密にはペプチド糖タンパクに分類されます。
AM 39(臨床化学)
260 nm が極大吸収波長であるのはどれか。
- DNA
- 尿 酸
- ビリルビン
- ヘモグロビン
- 芳香族アミノ酸
解答:1
極大吸収波長に関する問題です。
- DNA → ○(260nm)
- 尿 酸 → 285nm
- ビリルビン → 450nm
- ヘモグロビン → 410nm
- 芳香族アミノ酸 → 280nm
正直、優先度は低めです。
DNAは260nm、ビリルビンは450nm、芳香族アミノ酸(フェニルアラニン・チロシン・トリプトファン)は280nmであることを覚えておけば十分です!
実際、核酸濃度測定においては260nm・280nmでの吸光度が大事です。
AM 40(臨床化学)
グルコースのみで構成される二糖類はどれか。
- スクロース
- マルトース
- ラクトース
- ガラクトース
- フルクトース
解答:2
糖に関する問題です。
- スクロース → 二糖類:グルコース+フルクトース
- マルトース → ○(二糖類:グルコース+グルコース)
- ラクトース → 二糖類:グルコース+ガラクトース
- ガラクトース → 単糖
- フルクトース → 単糖
糖質の種類は多く、単糖類、二糖類やオリゴ糖、多糖類などに分けられます。表でまとめて覚えた方が効率的なので、下を参考にしてください!
まずは単糖類です。
| 種類 | 代表例 | 分子式(分子量) |
|---|---|---|
| 三炭糖(トリオース) | グリセルアルデヒド | C3H6O3 (90) |
| ジヒドロキシアセトン | ||
| 四炭糖(テトロース) | エリトロース | C4H8O4 (120) |
| 五炭糖(ペントース) | リボース | C5H10O5 (150) |
| キシロース | ||
| キシルロース | ||
| 六炭糖(ヘキソース) | グルコース | C6H12O6 (180) |
| ガラクトース | ||
| フルクトース | ||
| マンノース |
次は二糖類(単糖類2個がグリコシド結合したもの)です。3~20個ほど糖が結合したものはオリゴ糖といいます(今回は省略)。
| 種類 | 構成(結合様式) | 加水分解酵素 | 分子式(分子量) |
|---|---|---|---|
| マルトース(麦芽糖) | グルコース+グルコース (α1→4結合) | マルターゼ | C12H22O11 (342) |
| ラクトース(乳糖) | ガラクトース+グルコース (β1→4結合) | ラクターゼ | |
| スクロース(ショ糖) | フルクトース+グルコース (β2→α1結合) | スクラーゼ |
最後に多糖類です。同じ糖だけで構成されるホモ多糖と、違う糖で構成されるヘテロ多糖があります。
| ホモorヘテロ | 代表例 | 構成(結合様式 |
|---|---|---|
| ホモ多糖 | グリコーゲン | グルコース (α1→4結合とα1→6結合) |
| アミロース | グルコース (α1→4結合) | |
| アミロペクチン | グルコース (α1→4結合とα1→6結合) | |
| セルロース | グルコース (β1→4結合) | |
| イヌリン | フルクトース (β1→2結合) | |
| キチン | N-アセチルグルコサミン (β1→4結合) | |
| ヘテロ多糖 | アガロース | ガラクトース+アンヒドロガラクトース (β1→3結合とβ1→4結合) |
| コンドロイチン | グルクロン酸+N-アセチルガラクトサミン (β1→3結合とβ1→4結合) | |
| ヒアルロン酸 | グルクロン酸+N-アセチルグルコサミン (β1→3結合とβ1→4結合) | |
| ヘパリン | グルクロン酸orイズロン酸+N-アセチルグルコサミン (α1→4結合) |
まとめて一気に押さえましょう!!
AM 41(臨床化学)
解糖系の律速酵素はどれか。
- エノラーゼ
- アルドラーゼ
- イソメラーゼ
- ヘキソキナーゼ
- ホスホグリセリン酸キナーゼ
解答:4
解糖系に関する問題です。
- エノラーゼ → グリセリン酸 2-リン酸をホスホエノールピルビン酸に変換(脱離酵素)
- アルドラーゼ → フルクトース 1,6-二リン酸をグリセルアルデヒド 3-リン酸とジヒドロキシアセトンリン酸に変換(脱離酵素)
- イソメラーゼ → 異性化酵素の別名
- ヘキソキナーゼ → ○{グルコースをグルコース 6-リン酸に変換(転移酵素)}
- ホスホグリセリン酸キナーゼ → グリセリン酸 1,3-二リン酸をグリセリン酸 3-リン酸に変換(転移酵素)
律速酵素とは、ある一連の化学反応系において、その全体の反応速度を決定する要因になる最も進行の遅い反応(律速段階)を触媒する酵素です。解糖系ではヘキソキナーゼ・グルコキナーゼ・ホスホフルクトキナーゼ・ピルビン酸キナーゼが律速酵素です。
AM 42(臨床化学)
構造蛋白質はどれか。
- アルブミン
- コラーゲン
- フィブリノゲン
- セルロプラスミン
- α1-リポプロテイン
解答:2
蛋白質に関する問題です。
- アルブミン → 機能蛋白質
- コラーゲン → ○(構造蛋白質)
- フィブリノゲン → 機能蛋白質
- セルロプラスミン → 機能蛋白質
- α1-リポプロテイン → 機能蛋白質
蛋白質は、その働きから構造蛋白質(体を構成する)と機能蛋白質(生体反応に関わる)に大きく分けられます。
構造蛋白質にはコラーゲンやケラチンなどがあります。機能蛋白質にはアルブミンやヘモグロビン、セルロプラスミンなどの運搬体、インスリンやグルカゴンなどのホルモン、アミラーゼなどの消化酵素等があります。
AM 43(臨床化学)
半減期 3 日の放射性同位元素の放射能が 1/8 になるのはどれか。
- 6 日後
- 9 日後
- 12 日後
- 24 日後
- 48 日後
解答:2
半減期の問題です。
- 6 日後 → ×
- 9 日後 → ○
半減期3日の放射性物質が1/8になるには3回の半減期が必要
3日 × 3回 = 9日。 - 12 日後 → ×
- 24 日後 → ×
- 48 日後 → ×
半減期とは、物質やその能力などが半分になるまでに要する時間を指します。
今回の問題では、元々「1」あったものが「1/8」になった時間が問われています。半減期3日なので、「1」が「1/2」になる時間が3日です。
この「1/2」がさらに半分(=1/4)になるには、もう3日かかります。そして、「1/4」がさらに半分(=1/8)になるには、さらに3日かかります。
したがって、「1」が「1/8」になる時間は3+3+3=9日 です。
AM 44(臨床化学)
血中カルシウムで正しいのはどれか。
- 約 30%がイオン型で存在する。
- 基準範囲は 3.6~4.4 mg/dL である。
- 低アルブミン血症では偽高値を示す。
- アルカローシスではイオン型が低下する。
- 副甲状腺ホルモン〈PTH〉の作用で低下する。
解答:4
カルシウムに関する問題です。
約30%がイオン型で存在する。 → 約50%がイオン型- 基準範囲は
3.6~4.4 mg/dLである。 → 基準範囲は約8.8~10.1 mg/dL - 低アルブミン血症では
偽高値を示す。 → 低アルブミン血症では偽低値 - アルカローシスではイオン型が低下する。 → ○
- 副甲状腺ホルモン〈PTH〉の作用で
低下する。 → PTHによりカルシウム濃度は上昇
カルシウム(Ca)は、約98%が骨や歯に存在しています。血漿Caはイオン型が約50%、タンパク結合型(アルブミン)が約45%ですが、イオン化比率にはpH依存性があります(アシドーシスでイオン化比率増加:アルブミンの荷電状態が正に偏り、Caがもつ正電荷と反発するため)。
基準範囲は8.8~10.1mg/dLで、EDTA採血は偽低値を示します(Caのキレート)。
CaはMgと拮抗的に働くため、Caが上昇するとMgが低下します(逆も同じ)。またCaと無機リン(P)も拮抗関係にあります。
副甲状腺ホルモン(PTH)や活性化ビタミンDはCa濃度を上昇させます。そのため副甲状腺機能亢進症やビタミンD過剰症ではCa高値を示します。
反対に、副甲状腺機能低下症でCa低値を示します。また、低アルブミン血症ではタンパク結合型Caが減少するためCa濃度は低下します(アルブミン値による補正式がある)。
測定法としてはキレート比色法や酵素法が挙げられます。前者にはオルトクレゾールフタレイソコンプレクソン(o-CPC)法やメチルキシレノールブルー(MXB)法、アルセナゾⅢ法、クロロホスホナゾⅢ法があります。後者ではα-アミラーゼ、ホスホリパーゼDが用いられます。
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