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第69回 臨床検査技師国家試験 過去問解説 PM1~15(臨床検査総論・臨床検査医学総論)

第69回 臨床検査技師国家試験

第69回 臨床検査技師国家試験 過去問解説PM(1~15)です。間違いや要望等ありましたらコメントしていただけると嬉しいです!

問題出典:https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/dl/tp230524-07b_01.pdf

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PM 1(臨床検査総論)

尿沈渣の無染色標本を別に示す。矢印が示す構造物はどれか。

  1. 尿 酸
  2. シスチン
  3. ビリルビン
  4. リン酸カルシウム
  5. シュウ酸カルシウム
解答:2

尿沈渣の問題です。

一言解説
  1. 尿酸: 尿酸結晶は針状または菱形をしており、黄色がかっています。
  2. シスチン: 正解。シスチン結晶は無色の六角形で、多くの場合、遺伝性代謝障害に関連します。
  3. ビリルビン: ビリルビン結晶は黄色で、肝臓の病気に関連します。
  4. リン酸カルシウム: 無色の棺型または針状の結晶で、通常は尿のアルカリ性によって形成されます。
  5. シュウ酸カルシウム: ダイヤモンド型の無色結晶です。

今回は特徴的な形(六角形)をしており、シスチンだと即答できます。尿沈渣成分は多岐に渡るため重要なポイントを見失いがちですが、以下にまとめておくのでよければ参考にしてください!

成分形状・見た目特徴出現原因
無晶性リン酸塩顆粒状塩酸、酢酸に溶解正常(アルカリ尿)
リン酸アンモニウムマグネシウム結晶西洋棺桶状
封筒状
羽毛状
板状
リン酸カルシウム結晶板状
束柱状
尿酸アンモニウム結晶棘のある球状
炭酸カルシウム結晶無晶性顆粒状
小球状
ビスケット状
塩酸、酢酸により気泡を出して溶解
無晶性尿酸塩顆粒状加温により溶解正常(酸性尿)
尿酸結晶黄褐色の砥石状
菱形
シュウ酸カルシウム結晶正八面体
亜鈴状
ビスケット状
加温、塩酸により溶解
ロイシン結晶淡黄色の同心状塩酸、水酸化カリウムに溶解重症肝障害
チロシン結晶針状
シスチン結晶六角板状塩酸、水酸化カリウム、アンモニア水に溶解先天性シスチン尿症
2,8-ジヒドロキシアデニン(DHA)結晶菊花状、バナナチップ状先天性アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ欠損症
ビリルビン結晶黄褐色の針状、顆粒状塩酸、水酸化カリウム、クロロホルム、アセトンに溶解閉塞性黄疸
コレステロール結晶一角が欠けている方形板状クロロホルム、エーテルに溶解ネフローゼ症候群
尿沈渣成分(塩類・結晶)

PM 2(臨床検査総論)

結核性髄膜炎において、髄液の測定値が低値となるのはどれか。 2 つ選べ。

  1. 蛋 白
  2. クロール
  3. アデノシンデアミナーゼ
解答:2,4

髄液検査に関する問題です。

一言解説
  1. : 圧力はむしろ高値になることが多いです。
  2. : 正解。髄液中の糖値は結核性髄膜炎では低下します。
  3. 蛋白: 髄液中の蛋白は高値を示すことが多いです。
  4. クロール: 正解。クロール値も低下することが多いです。
  5. アデノシンデアミナーゼ: 結核性髄膜炎では増加します。

結核菌は細菌の1つですが、結核性髄膜炎の髄液検査所見は細菌性髄膜炎とは少し異なることに注意が必要です。国試でよく問われる原因別髄膜炎の髄液検査所見髄液検査を以下にまとめます。

疾患外観細胞数細胞分画蛋白
細菌性膿様混濁1000<多核球↑↑↓↓↓
結核性水様透明200~500単核球↑↑
真菌性水様透明10~500単核球↑↑
ウイルス性水様透明0~200単核球変化なし
髄液検査所見

細菌性髄膜炎は検査値が極端になりやすいです。また、髄液圧は上記全ての髄膜炎で上昇しますが、細菌性・結核性で著明に上昇します。

髄液検査で測定される項目についてもまとめておくので、参考にしてください!

検査項目高値低値特徴・備考
細胞数結核性髄膜炎(リンパ球)
真菌性髄膜炎(リンパ球)
ウイルス性髄膜炎(リンパ球)
梅毒性神経疾患(リンパ球)
細菌性髄膜炎(好中球)
脳膿瘍(好中球)
寄生虫感染(好酸球)
健常成人では細胞数5/μL以下で、リンパ球主体
新生児では20/μL以下
蛋白細菌性髄膜炎
ギランバレー症候群
髄液漏
甲状腺機能亢進症
主成分はアルブミン
健常成人の髄液蛋白は血清蛋白の約0.5%10~40mg/dL
新生児では35~180mg/dL
糖尿病
脳腫瘍
細菌性髄膜炎
結核性髄膜炎
真菌性髄膜炎
大部分はグルコース
血糖の60~80%50~80mg/dL
クロール尿毒症結核性髄膜炎基準範囲は118~130mEq/Lで、血清より高値
LD細菌性髄膜炎LD4・LD5が増加
CK脳腫瘍などCK-BBが増加
ADA結核性髄膜炎
ウイルス性髄膜炎
主にADA2が増加
髄液検査項目とその特徴

特に、ギランバレー症候群の特徴的な所見である蛋白細胞解離(蛋白は増加するが細胞数は増加しない)は必ず押さえておきましょう!

PM 3(臨床検査総論)

PCR 法の原理で正しいのはどれか。

  1. 熱変性は 60 ℃前後で行う。
  2. 2 種類のプライマーを用いる。
  3. 増幅反応は 50 サイクル前後で行う。
  4. 伸長反応は 3ʼ 或 5ʼ 方向に相補鎖を合成する。
  5. 定量 PCR 法では標的 DNA 量が多いほど Ct 値が大きい。
解答:2

PCRに関する問題です。

一言解説
  1. 熱変性は60℃前後で行う: 通常は94℃前後で行われます。
  2. 2種類のプライマーを用いる: 正しいです。プライマーは2つ使われます。
  3. 増幅反応は50サイクル前後で行う: 一般的には20〜40サイクルです。
  4. 伸長反応は3’或いは5’方向に相補鎖を合成する: 3’方向に合成されます。
  5. 定量PCR法では標的DNA量が多いほどCt値が大きい: DNA量が多いほどCt値は小さくなります。

PCR法は、調べたい遺伝子に特異的に結合する2つのプライマー(センスプライマーアンチセンスプライマーという)に挟まれた領域がDNAポリメラーゼにより連鎖的に反応し、その領域のDNA断片が増幅される方法です。

PCR法は基本的に、熱変性94~95℃)→アニーリング約55℃)→伸長反応72℃)の3ステップで1サイクルとなります。伸長反応のあとはまた熱変性→アニーリング…と続いていき、通常30サイクル前後行います。それぞれのステップをより詳しく説明しますね。

  • 熱変性(94~95℃):検体の2本鎖DNAを1本鎖にします。
  • アニーリング(約55℃):温度はプライマーの長さ(基本的には20塩基前後のオリゴヌクレオチド鎖)やGC含量により異なりますが、増幅したいDNA領域の両端にプライマーが結合します。
  • 伸長反応(72℃)Mg2+の存在下で耐熱性DNAポリメラーゼTaqポリメラーゼ)がデオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)を材料として3’方向に次々と2本鎖を伸ばします。

また、定量PCRは一定の蛍光強度に達するサイクル数(Ct値)を定め、そこに達するまでのサイクル数から検体濃度を求める方法です。検体濃度が高いほど早くCt値に達します(例:Ct値を100とすると、検体濃度3では5サイクル必要→3×3×3×3×3=243、検体濃度10なら2サイクルで済む→10×10=100のイメージ)。

PM 4(臨床検査総論)

出生児における染色体異常のうち最も発生数が多いのはどれか。

  1. 13 トリソミー
  2. 18 トリソミー
  3. 21 トリソミー
  4. 45,X
  5. 47,XXY
解答:3

染色体異常に関する問題です。

一言解説
  1. 13トリソミー: 非常に稀な染色体異常です。
  2. 18トリソミー: 21トリソミーに次いで多い染色体異常ですが、発生頻度は低いです。
  3. 21トリソミー: 最も一般的な染色体異常で、ダウン症候群の原因です。
  4. 45,X: ターナー症候群ですが、21トリソミーほど多くありません。
  5. 47,XXY: クラインフェルター症候群ですが、21トリソミーに比べると発生率は低いです。

出生児における染色体異常で最も多いのは21トリソミー(Down症候群)で、53%を占めます。次に多いのは18トリソミー(Edwards症候群)で、13%です。その後は13トリソミー(Patau症候群):5%、45,XTurner症候群):5%、47,XXYKlinefelter症候群):4% と続きます。

PM 5(臨床検査総論) 

囊虫症をきたすのはどれか。

  1. 小形条虫
  2. 無鉤条虫
  3. 有鉤条虫
  4. 日本海裂頭条虫
  5. クジラ複殖門条虫〈大複殖門条虫〉
解答:3

医動物学の問題です。

一言解説
  1. 小形条虫: 囊虫症を引き起こしません。
  2. 無鉤条虫: 囊虫症とは無関係です。
  3. 有鉤条虫: 正解。囊虫症を引き起こします。
  4. 日本海裂頭条虫: 囊虫症を起こしません。
  5. クジラ複殖門条虫〈大複殖門条虫〉: 囊虫症の原因ではありません。

嚢虫症をきたすのは有鉤条虫のみです。小形条虫は自家感染を起こすことがあります。

PM 6(臨床検査総論)

77 歳の男性。西日本在住。農作業で虫に刺されたため診療所を受診し、マダニ咬症と診断された。 3 日後に 39 ℃の発熱があり再診した。考えられる疾患はどれか。

  1. 日本脳炎
  2. 発疹チフス
  3. ツツガムシ病
  4. デング出血熱
  5. 重症熱性血小板減少症候群〈SFTS〉
解答:5

医動物学の問題です。

一言解説
  1. 日本脳炎: ダニ咬傷ではなく、蚊が媒介します。
  2. 発疹チフス: シラミによって媒介されますが、ダニではありません。
  3. ツツガムシ病: ツツガムシによって引き起こされ、ダニではありません。
  4. デング出血熱: 蚊により媒介され、ダニとは無関係です。
  5. 重症熱性血小板減少症候群〈SFTS〉: 正解。ダニにより媒介されるウイルスです。

このような問題は、①患者の特徴 ②疾患の原因(寄生虫やウイルスなど)③症状 に着目すれば解くことができます。

今回であれば、①高齢男性、農作業 ②マダニ ③高熱 という情報が得られますね。選択肢の中で、マダニが原因となる疾患はSFTSしかありません。日本脳炎アカイエカ発疹チフスヒトジラミツツガムシ病ツツガムシデング出血熱ヒトスジシマカネッタイシマカがそれぞれ原因です。

疾患原因動物
日本脳炎アカイエカ
デング熱ヒトスジシマカ
ネッタイシマカ
黄熱ネッタイシマカ
発疹チフスヒトジラミ
紅斑熱マダニ類
ペストケオプスネズミノミ
ヒトノミ
シャーガス病サシガメ
アフリカ睡眠病ツェツェバエ
節足動物と疾患

PM 7(臨床検査総論)

滲出性胸水の所見はどれか。

  1. 無色透明
  2. 比重 1.010
  3. 細胞数 50/μL
  4. LD 比(胸水/血清)0.8
  5. 蛋白比(胸水/血清)0.2
解答:4

滲出液・漏出液に関する問題です。

一言解説
  1. 無色透明: 無色透明は漏出性胸水の特徴です。
  2. 比重 1.010: 低比重は漏出性胸水に見られます。
  3. 細胞数50/μL: 細胞数が少ないのは漏出性胸水です。
  4. LD比(胸水/血清)0.8: 正解。LD比が高いのは滲出性胸水の特徴です。
  5. 蛋白比(胸水/血清)0.2: 低蛋白比は漏出性胸水に見られます。

胸水や腹水などの穿刺液検査により滲出液か漏出液かを判断することは診断上大きな意義を持ちます。以下に滲出液と漏出液の病態識別値、Lightの基準についてまとめます。

項目滲出液漏出液
原因炎症非炎症
外観膿性、混濁透明
比重1.018 以上1.015 以下
pH7.30 以下低下なし
蛋白4.0g/dL 以上2.5g/dL 未満
LD200U/L 以上200U/L 未満
Glu低下血糖値とほぼ同じ
細胞数多数(1000/μL 以上)少数(1000/μL 未満)
主な細胞好中球、リンパ球中皮細胞、組織球
滲出液と漏出液

Lightの基準:以下の3項目のうち、1つでも満たせば滲出液、1つも満たさなければ漏出液となる。

胸水蛋白/血清蛋白≧0.5 ②胸水LD/血清LD≧0.6 ③胸水LDが血清LDの正常上限2/3以上

PM 8(臨床検査総論)

真核生物における mRNA の開始コドンはどれか。

  1. AUG
  2. CUG
  3. GUC
  4. UAC
  5. UAG
解答:1

コドンに関する問題です。

一言解説
  1. AUG: 正解。AUGはメチオニンをコードする、開始コドンです。
  2. CUG: 開始コドンではありません。ロイシンをコードします。
  3. GUC: 開始コドンではありません。バリンをコードします。
  4. UAC: 開始コドンではありません。チロシンをコードします。
  5. UAG: 終止コドンです。

コドンに関する問題は、開始コドンと終止コドンについて押さえておけば(今の所)大丈夫です。

開始コドン:AUGメチオニン

終止コドン:UAA UAG UGA

PM 9(臨床検査総論)

尿定性試験紙法でアスコルビン酸による影響がないのはどれか。

  1. 潜 血
  2. 蛋 白
  3. 亜硝酸塩
  4. ブドウ糖
  5. ビリルビン
解答:2

尿試験紙法に関する問題です。

一言解説
  1. 潜血: アスコルビン酸が潜血試験に干渉します。
  2. 蛋白: 正解。アスコルビン酸の影響はありません。
  3. 亜硝酸塩: アスコルビン酸の影響を受けます。
  4. ブドウ糖: アスコルビン酸が干渉する可能性があります。
  5. ビリルビン: アスコルビン酸の影響を受けます。

尿試験紙法でアスコルビン酸により偽陰性となるのは、潜血反応亜硝酸塩ブドウ糖ビリルビンの4種類です。これは必ず覚えましょう!余裕があれば、他の検査項目の偽陽性・偽陰性についても知っておくといいかもしれません。

尿試験紙法の項目と偽陽性・偽陰性反応を以下にまとめます。

検査項目測定原理(試験紙法)偽陽性偽陰性
pHpH指示薬の色調変化古い尿(細菌増殖によりアンモニア増加
蛋白pH指示薬の蛋白誤差アルカリ尿
逆性石鹼(石鹼中の陽イオンが試薬中の陰イオンと結合してしまう)
酸性尿
ブドウ糖GOD-POD法
色原体が酸化されて呈色
酸化剤(次亜塩素酸塩など)アスコルビン酸
潜血Hbの偽POD作用を利用酸化剤(次亜塩素酸塩など)アスコルビン酸
ケトン体ニトロプルシドナトリウム反応L-DOPA
セファロスポリン
フェニルケトン尿
ビリルビンジアゾカップリング反応アスコルビン酸
亜硝酸塩
古い尿
ウロビリノゲンジアゾカップリング反応フェナゾピリジン抗生物質
亜硝酸塩
亜硝酸塩Griess反応フェナゾピリジンアスコルビン酸
膀胱内滞留時間が短い尿
古い尿
比重比重がNa濃度とほぼ比例することを利用尿素・ブドウ糖・蛋白が高濃度の時
尿試験紙法検査項目

蛋白誤差やGriess反応など、覚えるべきポイントは多いですが得点源にできるので地道に頑張っていきましょう!

PM 10(臨床検査総論)

発現蛋白の機能亢進により発がん性を発揮するのはどれか。

  1. APC
  2. BRCA1
  3. MYC
  4. RB1
  5. TP53
解答:3

がん遺伝子・がん抑制遺伝子に関する問題です。

一言解説
  1. APC: 腫瘍抑制遺伝子で、発がん性には関与しません。
  2. BRCA1: 腫瘍抑制遺伝子で、機能喪失が発がんに関与します。
  3. MYC: 正解。発現が亢進すると発がんに関与します。
  4. RB1: 腫瘍抑制遺伝子です。
  5. TP53: 腫瘍抑制遺伝子で、機能喪失が発がんを引き起こします。

遺伝子に関する技術が日々進歩しているこの世の中で、このような問題は非常に重要です。代表的ながん遺伝子・がん抑制遺伝子について以下にまとめます。

がん遺伝子:c-kit erbB2 met ret abl ras myc bcl2 など

がん抑制遺伝子:Rb p53 WT1 APC p16 VHL BRCA1/2 DPC-4 PTEN など

がん遺伝子は機能亢進、がん抑制遺伝子は機能欠失によりそれぞれ発がん性を発揮します。

PM 11(臨床検査医学総論)

ペルオキシダーゼに対する抗好中球細胞質抗体〈MPO-ANCA〉が陽性となるのはどれか。

  1. Behçet 病
  2. 全身性強皮症
  3. 結節性多発動脈炎
  4. 顕微鏡的多発血管炎
  5. 多発性筋炎・皮膚筋炎
解答:4

自己抗体に関する問題です。

一言解説
  1. Behçet 病: MPO-ANCAとは無関係です。
  2. 全身性強皮症: 抗Scl-70抗体や抗セントロメア抗体が陽性になることがあります。
  3. 結節性多発動脈炎: MPO-ANCA陰性です。
  4. 顕微鏡的多発血管炎: 正解。MPO-ANCAが陽性です。
  5. 多発性筋炎・皮膚筋炎: 抗Jo-1抗体が陽性になることがあります。

自己抗体陽性となる疾患には、橋本病や自己免疫性溶血性貧血(AIHA)、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)などがあります。自己抗体に関する問題はこちらで詳しくまとめているので、良ければ参考にしてください(AM83)!

PM 12(臨床検査医学総論)

急性期の過換気症候群で低下するのはどれか。

  1. HCO3
  2. PaCO2
  3. 動脈血 pH
  4. 血清カリウム
  5. 血清ナトリウム
解答:2

過換気症候群に関する問題です。

一言解説
  1. HCO3-: 腎性代償(2~5日)により、重炭酸イオンのレベルは低下します。
  2. PaCO2: 正解。過換気により二酸化炭素分圧が低下します。
  3. 動脈血 pH: pHはむしろ上昇します。
  4. 血清カリウム: 低カリウム血症がよく見られます。
  5. 血清ナトリウム: ナトリウム値は変動しません。

今回は急性期の過換気症候群に関する問題なので、腎性代償はまだ起こってないと考えられます。過換気症候群は、発作性の過換気と呼吸困難を呈する疾患であり、呼吸性アルカローシスによる症状を伴います。

過換気症候群:発作性の過換気と呼吸困難を呈する疾患で、原因は不安などの精神的なものから運動などの身体的なものまで様々です。呼吸性アルカローシスを呈し、PaCO2低下、pH上昇を示すが、PaO2は正常です。

過換気症候群では、過換気により体内の二酸化炭素が必要以上に排出されることでPaCO2の低下を示し、同時にpHが上昇します(呼吸性アルカローシス)。腎性代償(3~5日後)が起こるとHCO3が低下しますが、急性期では腎性代償は起こりません。

発展事項:アルカローシスに陥ると、H+が細胞内から細胞外に移動し、細胞外pHがこれ以上アルカリ側に傾かないようにします。このH+の動きと対照的にK+が細胞外から細胞内に移動します。そのため、アルカローシスでは低カリウム血症をきたすことがあります。

PM 13(臨床検査医学総論)

深夜に血中濃度が高値を示すのはどれか。

  1. カテコールアミン
  2. 成長ホルモン〈GH〉
  3. 副甲状腺ホルモン〈PTH〉
  4. 卵胞刺激ホルモン〈FSH〉
  5. 副腎皮質刺激ホルモン〈ACTH〉
解答:2

ホルモンと血中濃度に関する問題です。

一言解説
  1. カテコールアミン: 日中に高くなりますが、深夜は低下します。
  2. 成長ホルモン〈GH〉: 正解。深夜にピークを迎えます。
  3. 副甲状腺ホルモン〈PTH〉: PTHの分泌は深夜に変動しますが、成長ホルモンほどではありません。
  4. 卵胞刺激ホルモン〈FSH〉: 睡眠中に特に増加はしません。
  5. 副腎皮質刺激ホルモン〈ACTH〉: 深夜には低値を示します。

ホルモンに関する問題はとても重要なので、必ず解けるようになりましょう!

そもそもホルモンとは、特定の臓器または組織で産生され血液中に分泌される、極めて微量の物質です。水溶性ホルモンの受容体は細胞膜に存在しますが、脂溶性ホルモンの受容体は細胞内に存在します。

以下に主要なホルモンについてまとめるので、必ず覚えましょう!

組織ホルモン種別作用疾患
下垂体前葉成長ホルモン(GH)ペプチド血糖上昇高値:先端巨大症
副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)副腎皮質ホルモン産生・分泌促進高値:Addison病
低値:Cushing症候群
プロラクチン(PRL)乳汁分泌促進
卵胞刺激ホルモン(FSH)ペプチド糖蛋白卵胞成熟
黄体形成ホルモン(LH)卵胞黄体化
甲状腺刺激ホルモン(TSH)甲状腺ホルモン産生・分泌促進高値:橋本病
低値:Basedow病
下垂体後葉バソプレシン(AVP)ペプチド水再吸収促進高値:腎性尿崩症
低値:中枢性尿崩症
オキシトシン子宮収縮
乳汁分泌
副甲状腺副甲状腺ホルモン(PTH)ペプチドCa2+上昇高値:原発性副甲状腺機能亢進症
甲状腺サイロキシン(T4
トリヨードサイロニン(T3
アミノ酸誘導体代謝亢進高値:Basedow病
低値:橋本病
カルシトニンペプチドCa2+低下
副腎髄質アドレナリン
ノルアドレナリン
アミノ酸誘導体血圧上昇高値:褐色細胞腫
副腎皮質コルチゾールステロイド血糖上昇
抗アレルギー作用
高値:Cushing病
低値:Addison病
アルドステロン血圧上昇高値:原発性アルドステロン症
副腎アンドロゲン男性ホルモン作用
腎臓レニンペプチド血圧上昇
精巣アンドロゲンステロイド男性の第二次性徴
卵巣(卵胞)エストロゲンステロイド女性の第二次性徴
卵巣(黄体)プロゲステロン妊娠維持
胎盤ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)ペプチド糖蛋白妊娠持続高値:絨毛癌
低値:流産、子宮外妊娠
ガストリンペプチド胃酸分泌促進
小腸インクレチンペプチドインスリン分泌促進
膵臓インスリンペプチド血糖低下高値:2型糖尿病
低値:1型糖尿病
グルカゴン血糖上昇
ホルモンまとめ

特に、橋本病とBasedow病、Addison病とCushing病(Cushing症候群)、腎性尿崩症と中枢性尿崩症の区別は頻出なので押さえておきましょう!

PM 14(臨床検査医学総論)

伝音性難聴を呈するのはどれか。 2 つ選べ。

  1. 中耳炎
  2. 耳垢塞栓
  3. 聴神経腫瘍
  4. 突発性難聴
  5. メニエール〈Ménière〉病
解答:1,2

難聴に関する問題です。

一言解説
  1. 中耳炎: 正解。炎症により音が伝わりにくくなるため、伝音性難聴を引き起こします。
  2. 耳垢塞栓: 正解。耳垢が塞がると音の伝達が妨げられ、伝音性難聴が生じます。
  3. 聴神経腫瘍: 神経の障害であり、感音性難聴です。
  4. 突発性難聴: 突発的な聴覚の喪失は感音性難聴です。
  5. メニエール〈Ménière〉病: 内耳の障害であり、感音性難聴を引き起こします。

難聴は、伝音難聴感音難聴・混合難聴に分けられます。伝音難聴は外耳・中耳における音の伝導障害によって生じ、感音難聴は内耳から脳までの経路が障害されることで起こります。

難聴の種類疾患特徴
伝音難聴耳垢塞栓
中耳炎
耳硬化症
オージオグラム上で気骨導差(A-B gap)を認める
感音難聴突発性難聴
メニエール病
聴神経腫瘍
混合難聴伝音難聴+感音難聴
難聴の種類

関連知識としてこちらも確認しておきましょう!

PM 15(臨床検査医学総論)

自己免疫疾患はどれか。

  1. Alzheimer 病
  2. 重症筋無力症
  3. Creutzfeldt-Jakob 病
  4. 進行性多巣性白質脳症
  5. 筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉
解答:2

自己免疫疾患に関する問題です。

一言解説
  1. Alzheimer 病: 神経変性疾患で、自己免疫疾患ではありません。
  2. 重症筋無力症: 正解。自己免疫疾患で、神経筋接合部の障害を引き起こします。
  3. Creutzfeldt-Jakob 病: プリオン病であり、自己免疫とは無関係です。
  4. 進行性多巣性白質脳症: ウイルス感染による疾患です。
  5. 筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉: 神経変性疾患であり、自己免疫疾患ではありません。

自己免疫疾患とは、何らかの機序で自己抗原に対する免疫寛容が破綻(自分への攻撃はしないというシステムが壊れる)し、自己免疫反応が起こって病態を形成する疾患を指します。自己抗体や自己反応性リンパ球による細胞性免疫機構が関わっています。原因が自己抗体である疾患は自己免疫疾患に分類されます。

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