第69回 臨床検査技師国家試験 過去問解説AM(90~100)です。間違いや要望等ありましたらコメントしていただけると嬉しいです!
問題出典:https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/dl/tp230524-07a_01.pdf
AM 90(公衆衛生学)
特定原材料として食品への表示が義務付けられているのはどれか。 2 つ選べ。
- 米
- 卵
- 小 麦
- さ ば
- 大 豆
解答:2,3
特定原材料の問題です。
米は特定原材料ではなく、表示義務はありません。
卵はアレルギーを引き起こす特定原材料の1つで、表示が義務付けられています。
小麦もアレルギーを引き起こすため、特定原材料として表示義務があります。
さばは義務表示ではなく、推奨表示原材料です。
大豆も推奨表示ですが、義務ではありません。
特定原材料の表示義務について以下にまとめます。推奨の方は覚える必要性はかなり低いと思うので、気になる方は各自調べてみてください(推奨は数が多いです)。
表示義務:えび かに くるみ(2025.4から) 小麦 そば 卵 乳 ピーナッツ(落花生)
AM 91(公衆衛生学)
統合失調症で入院が必要と診断されたが、本人が入院を拒んだため、父親の同意によって入院させた。この場合の入院形態はどれか。
- 応急入院
- 措置入院
- 任意入院
- 医療保護入院
- 緊急措置入院
解答:4
精神保健福祉法に基づく入院形態に関する問題です。
応急入院は本人同意なしで、72時間まで行える緊急措置です。
措置入院は、知事の判断で行われる強制入院です。
任意入院は、本人の同意を得て行う入院です。
医療保護入院は、家族の同意で本人の意思に反しても入院可能な形態です。
緊急措置入院は、特に重症な場合の措置入院です。
入院形態は以下の5種類であるため、選択肢に登場しやすいです。まとめますので、必要なところだけ覚えましょう!
| 形態 | 対象・要件 | 割合 |
|---|---|---|
| 任意入院 | 本人の同意あり(自発的入院) | 52.7% |
| 措置入院 | 入院させなければ自傷他害の恐れある精神障害者 2名の精神保健指定医の診察が必要 都道府県知事が入院させる | 0.5% |
| 医療保護入院 | 自傷他害の恐れはないが任意入院を行う状態にない者 精神保健指定医の診察及び保護者の同意が必要 | 46.5% |
| 緊急措置入院 | 自傷他害の恐れあり、急速な入院の必要性がある者 精神保健指定医の診察は1人でOK 入院期間は72時間以内 | 0.3% |
| 応急入院 | 任意入院を行う状態になく、急速を要し、保護者の同意を得られない者 精神保健指定医の診察が必要 入院時間は72時間以内 |
AM 92(公衆衛生学)
保健所の業務はどれか。 2 つ選べ。
- 医療計画の策定
- 乳幼児健康診査
- 障害者手帳の交付
- 医療機関への立入検査
- 食中毒発生時の原因調査
解答:4,5
保健所に関する問題です。
医療計画の策定:都道府県が行う業務であり、保健所の役割ではありません。
乳幼児健康診査:市町村が担当する業務で、保健所の業務には含まれません。
障害者手帳の交付:都道府県が行う業務です。
医療機関への立入検査:保健所が医療機関に対して行う重要な業務の一つです。
食中毒発生時の原因調査:保健所が食中毒発生時に原因を調査します。
保健所の業務は、①地域保健の普及と向上、②人口動態、③栄養・食品衛生、④環境衛生、⑤医事・薬事、⑥保健師、⑦公共医療事業、⑧母体・乳幼児・老人保健、⑨歯科保健、⑩精神保健、⑪疾病予防など、多岐にわたります。
全て覚える必要はないので、今回のように具体例のある問題を見かけたらその都度押さえていけば大丈夫です!
AM 93(公衆衛生学)
公的医療保険の給付対象に含まれないのはどれか。
- 禁煙治療
- 人工透析
- 帝王切開
- 訪問看護
- 予防接種
解答:5
医療保険に関する問題です。
禁煙治療:健康保険でカバーされます。
人工透析:透析治療は保険の適用対象です。
帝王切開:出産方法として、保険の対象となります。
訪問看護:在宅医療の一環として保険適用されます。
予防接種:正解。一般的に予防接種は自己負担となり、保険適用外です。
公的医療保険の給付対象は、禁煙治療などの診察、処置、手術、薬剤、入院・看護、在宅療養、食事療養、訪問看護などです。ちなみに、帝王切開ではなく普通分娩の場合、保険適用対象外です。
AM 94(公衆衛生学)
水道水質基準において、人の健康の保護のため「検出されないこと」と規定されているのはどれか。
- ヒ 素
- フッ素
- 大腸菌
- アルキル水銀
- シアン化合物
解答:3
水質基準の問題です。
ヒ素:許容濃度が規定されており、少量は許容されます(0.01mg/l以下)。
フッ素:一定濃度まで検出が許されます(0.8mg/l以下)。
大腸菌:水道法において検出されないこととなっています。
アルキル水銀:公共用水域において検出されないこととなっています。
シアン化合物:公共用水域において検出されないこととなっています。
水道水と公共用水域ではそれぞれ「検出されないこと」となっている項目が異なります。
水道水では大腸菌が、公共用水域では全シアン・アルキル水銀・PCBの3つが「検出されないこと」となっています。ここは頻出なので必ず押さえておきましょう!
AM 95(医用工学)
100 Ω の負荷につながれた装置の消費電力が 100 W であった。この装置の負荷を 200 Ω に変えたときの消費電力[W]はどれか。
- 25
- 50
- 100
- 200
- 400
解答:2
消費電力の問題です。
電力(P)は、電圧が一定の場合、負荷抵抗(R)に反比例します。負荷を倍にすると、消費電力は半分になります。したがって、200Ωに変更した場合、消費電力は50Wになります
消費電力の公式は、P=VI(P:消費電力 V:電圧 I:電流)です。
これにオームの法則V=RIを変形して上の式に代入します。今回はIがわからないので、VとRを残した式にしましょう。
V=RI より I=V/R これをP=VIに代入すると P=V2/R P=100(W)のときR=100(Ω)なので、それぞれ代入して 100=V2/100 よってV=100 したがって、R=200(Ω)のとき、P=1002/200=50
答えは選択肢2の50(W)となります。
オームの法則は変形式も含めてよく使うので必ず覚えておきましょう!
AM 96(医用工学)
医用電気機器のクラス別分類で正しいのはどれか。
- クラスⅠ機器の追加保護手段は補強絶縁である。
- クラスⅠ機器とは B 型装着部を持つ機器のことである。
- クラスⅡ機器には保護接地線が必要である。
- クラスⅡ機器は 2 P プラグで使用することができる。
- 内部電源機器は外部電源と接続できない。
解答:4
医用電気機器のクラス分類に関する問題です。
クラスⅠ機器の追加保護手段は補強絶縁である→クラスⅠ機器の追加保護手段は保護接地です。補強絶縁はクラスⅡ機器に関係します。
クラスⅠ機器とは B 型装着部を持つ機器のことである→クラスⅠは主に電気的保護クラスで、B型装着部は絶縁に関する記載です。クラスⅠ機器とは直接関係ありません。
クラスⅡ機器には保護接地線が必要である→クラスⅡ機器には保護接地線は不要です。内部の絶縁により安全が確保されます。
クラスⅡ機器は 2P プラグで使用することができる→クラスⅡ機器は2Pプラグを使用でき、保護接地が必要ありません。
内部電源機器は外部電源と接続できない→内部電源機器でも外部電源と接続する機器は存在します。
医用電気機器に関するこのような問題は頻出ですが、下の表さえ覚えておけば大丈夫です。
| クラス分類 | 保護 | 追加保護 | 備考 |
|---|---|---|---|
| クラスⅠ | 基礎絶縁 | 保護接地 | 3Pコンセント |
| クラスⅡ | 基礎絶縁 | 補強絶縁 | 制限なし |
| 内部電源 | 基礎絶縁 | 内部電源 | 外部電源接続時はクラスⅠもしくはⅡ機器として働く |
AM 97(医用工学)
静止画の標準的なファイル拡張子はどれか。2つ選べ。
- CSV
- FLV
- JPEG
- MP3
- TIFF
解答:3,5
ファイル拡張子の問題です。
CSV→CSVは、主に表形式のデータを保存する形式であり、画像ファイルではありません。
FLV→FLVは動画ファイル形式であり、静止画には使用されません。
JPEG→JPEGは、圧縮画像フォーマットで、広く使われている静止画の標準的な形式です。
MP3→MP3は音声ファイルの形式であり、画像とは無関係です。
TIFF→TIFFは、可逆圧縮が可能な画像ファイル形式で、静止画の標準的な形式の一つです。
ファイル拡張子には様々な種類があります。よく聞かれる画像ファイル・音声ファイル・動画ファイルの拡張子について以下にまとめます。
| ファイル | 代表的な拡張子 |
|---|---|
| 画像ファイル | JPEG PNG GIF TIFF |
| 音声ファイル | WAV MP3 |
| 動画ファイル | MP4 AVI FLV MPEG2 |
また、多くのファイル拡張子は省略形です(FLVはFlash Videoの略)。このように覚えやすいものもあるので一度調べてみてもいいかもしれません!
AM 98(医用工学)
医療情報システムで保健医療情報交換の標準規格はどれか。
- DICOM
- HL7
- ICD11
- JLAC10/11
- PACS
解答:2
医療システムに関する問題です。
DICOM→医用画像の保存や転送のための標準規格で、CTやMRIなどで使われます。
HL7→医療情報システム間でのデータ交換のための規格。電子カルテのやり取りに活用されます。
ICD11→病気や障害の分類体系で、国際疾病分類です。
JLAC10/11→検査結果のコード化規格で、主に臨床検査分野で使用されます。
PACS→医療画像管理システムで、画像データの保存や閲覧に使用されます。
多くは英語の頭文字をとったものが多い(DICOM:Digital Imaging and communications in Medicine)ので、それぞれ調べてみると覚えやすいです!!ここは自分の手で調べることで、記憶に残ります。
AM 99(医用工学)
37 ℃の媒質中における音速[m/s]として誤っているのはどれか。
- 空 気: 350
- 脂 肪: 900
- 水: 1,480
- 血 液:1,570
- 頭蓋骨:4,080
解答:2
音速の問題です。
空気:350→空気中の音速は約331 m/sなので正しいです。
脂肪:900→脂肪中の音速は約1450m/sなので、誤りです。
水:1,480→水中の音速は約1,480 m/sで正しいです。
血液:1,570→血液中の音速は約1,570 m/sで正しいです。
頭蓋骨:4,080→骨中の音速は約4,080 m/sで、これも正しいです。
生体内では、臓器ごとに密度や圧縮率に差が見られるため、組織ごとに音速に差が生じます。主な生体組織とその伝播速度、吸収係数についてまとめておきます。
| 生体組織 | 伝播速度(m/s) | 吸収係数(dB/cm) |
|---|---|---|
| 空気 | 331 | 12 |
| 水 | 1480 | 0.0022 |
| 血液 | 1570 | 0.18 |
| 脂肪 | 1450 | 0.63 |
| 脳 | 1541 | 0.85 |
| 肝臓 | 1549 | 0.94 |
| 腎臓 | 1561 | 1.0 |
| 筋肉 | 1585 | 1.3(繊維方向) 3.3(線維と直角方向) |
| 頭蓋骨 | 4080 | 13 |
音速が一番速い生体組織や吸収係数が大きい生体組織を重点的に覚えておきましょう!
AM 100(医用工学)
物理量の変化が電気抵抗の変化として現れるトランスデューサはどれか。 2 つ選べ。
- サーミスタ
- ストレインゲージ
- 熱電対
- フォトダイオード
- ホール素子
解答:1,2
トランスデューサーの問題です。
サーミスタ→温度に応じて抵抗が変わる温度センサです。
ストレインゲージ→物体に加えられた歪みに応じて抵抗が変わるセンサです。
熱電対→熱電効果を利用して温度差に基づく電圧を生成しますが、抵抗の変化には関係しません。
フォトダイオード→光を受けて電流を生じる光センサですが、抵抗の変化ではありません。
ホール素子→磁場に対して電圧を生じる磁気センサで、電気抵抗の変化には関与しません。
トランスデューサーは沢山あるので覚えるのに苦労しますよね!以下に頻出のものにマークをしてまとめておきます!
| 物理量(変換前) | 電気量(変換後) | トランスデューサ |
|---|---|---|
| 変位 | 抵抗 | ポテンショメータ ストレンゲージ |
| 相互インダクタンス | 差動トランス | |
| 容量 | 可動極板型コンデンサ | |
| 力 | 起電力 | 圧電素子 |
| 抵抗 | ストレンゲージ | |
| 電流 | 感圧ダイオード | |
| 光 | 抵抗 | CdS |
| 起電力 | 光電池 | |
| 電流 | 光電管 フォトトランジスタ | |
| 温度 | 抵抗 | サーミスタ |
| 起電力 | 熱電対 | |
| 磁場 | 起電力 | ホール素子 |
| 電流 | SQUID磁束計 |
ちなみに、起電力に変換されるのは圧電素子・光電池・熱電対・ホール素子の4つです。


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