第69回 臨床検査技師国家試験 過去問解説AM(29~44)です。間違いや要望等ありましたらコメントしていただけると嬉しいです!
問題出典:https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/dl/tp230524-07a_01.pdf
AM 29(臨床化学)
グリコアルブミン〈GA〉について正しいのはどれか。
- 鉄欠乏性貧血で高値になる。
- 基準範囲は 6.2%以下である。
- 約 2 か月間の血糖値の平均を反映する。
- バリンに安定的に糖が結合したものである。
- 透析患者の血糖コントロールの指標に適している。
解答:5
グリコアルブミンの問題です。
グルコースは、血漿タンパク質(アルブミンなど)のリジンのε-アミノ基と非酵素的に結合して糖化タンパクを生じます(フルクトサミン)。その主成分がグリコアルブミンです。高血糖状態が長く続くほどグリコアルブミンが多く生成されます。
基準範囲は12~16%で、糖尿病・肝硬変・甲状腺機能低下症で高値を示し、ネフローゼ症候群・甲状腺機能亢進症で低値を示します。
グリコアルブミンが高値となる理由は?
糖尿病は、高血糖状態が長時間続くため高値を示します。肝硬変では肝臓でのアルブミン産生が低下するため、既に存在しているアルブミンの寿命が伸びて糖化されやすくなるので高値を示します。甲状腺機能低下症では甲状腺ホルモン濃度低下により代謝が悪くなるため、やはりアルブミンの寿命が伸びて高値を示します。
グリコアルブミンが低値となる理由は?
ネフローゼ症候群では、体内のアルブミンが尿中に排出されるため低値を示します。甲状腺機能亢進症では甲状腺ホルモン濃度上昇により代謝が亢進するため、アルブミンも分解されやすくなり低値を示します。
グリコアルブミンの値は過去1~2週間の平均血糖値を反映します(アルブミンの半減期が約17日であるため)。
また、グリコアルブミン測定は血漿タンパク濃度や血中干渉物質の影響を受けないため、透析患者や妊娠糖尿病の血糖管理指標として有用です。
AM 30(臨床化学)
血漿血糖値が高い順に並んでいるのはどれか。
- 静脈 > 動脈 > 毛細血管
- 静脈 > 毛細血管 > 動脈
- 動脈 > 静脈 > 毛細血管
- 動脈 > 毛細血管 > 静脈
- 毛細血管 > 静脈 > 動脈
解答:4
血糖値の問題です。とは言っても、血液の流れが分かれば解けます。
血管の流れは動脈→毛細血管→静脈という順番なので、動脈血で一番血糖値が高く、静脈血では濃度が低くなります(静脈に行くにつれ消費されて減少するイメージ)。
AM 31(臨床化学)
アポリポ蛋白と主要機能の組合せで誤っているのはどれか。
- A-Ⅰ ― LCAT の活性化
- B-100 ― VLDL の分泌
- B-48 ― カイロミクロンの分泌
- C-Ⅲ ― LPL の活性化
- E ― LDL受容体との結合
解答:4
アポリポ蛋白と機能の組み合わせ問題です。特に下の表はとても大事です。
| アポリポタンパク | 合成部位 | 機能 |
|---|---|---|
| A-Ⅰ | 小腸・肝臓 | LCAT活性化 |
| A-Ⅱ | 肝臓 | LPL抑制 |
| B-100 | 肝臓 | VLDL分泌・LDL受容体との結合 |
| B-48 | 小腸 | CM分泌 |
| C-Ⅰ | 肝臓 | LCAT活性化 |
| C-Ⅱ | 肝臓 | LPL活性化 |
| C-Ⅲ | 肝臓 | LPL抑制 |
| E | 肝臓・脳 | LPL抑制 |
アポリポタンパクは基本的に肝臓で合成されますが、A-ⅠやB-48のように小腸で合成されるものもあるので注意が必要です。
AM 32(臨床化学)
Michaelis-Menten の式について正しいのはどれか。 2 つ選べ。ただし、[S]は基質濃度、Vmax は最大反応速度、Km は Michaelis 定数とする。
- Km 値<<[S]のとき 1 次反応に近似する。
- 初速度法による[S]測定は 0 次反応領域で行う。
- Km 値が大きいほど酵素と基質の親和性は大きい。
- Km 値は反応速度が Vmax の 1/2 を示す[S]である。
- 終点分析法による[S]測定には Vmax が大きい酵素を使用する。
解答:4,5
Michaelis-Menten の式についての問題です。苦手な方も多いと思いますので、少し丁寧に説明してみます。
まず、Michaelis-Menten の式は必ず覚えましょう。
v=Vmax[S]/Km+[S]
v:反応速度 Vmax:最高反応速度 [S]:基質濃度 Km:ミカエリス定数
ここで登場したミカエリス定数(Km)は酵素と基質の親和性を表し、Kmが小さいほど親和性が高いです。Kmは、Vmaxの1/2の速度vを与えるときの[S](基質濃度)と定義されています。
①Km<<[S]の時(Kmが[S]より著しく小さい時)
分母のKmは無視できるほど小さいため、
v=Vmax[S]/Km+[S]≒Vmax[S]/[S]=Vmax したがって v≒Vmax で 0次反応領域
②Km>>[S]の時([S]がKmより著しく小さい時)
分母の[S]は無視できるほど小さいため、
v=Vmax[S]/Km+[S]≒Vmax[S]/Km したがって、v≒Vmax[S]/Km で 1次反応領域
初速度分析法による測定に応用されている。
また、終点分析法での測定時間を短縮する方法には以下の4種類があります。
- Kmの小さい酵素を用いる
- Vmaxが大きい酵素を用いる
- 酵素量を増やす
- 目的成分濃度を減らす
なぜこの4種類の方法で測定時間が短縮できるのか証明できますが、積分の知識が必要なので今回は省略します。
AM 33(臨床化学)
血中濃度が低下するとテタニーを生じるのはどれか。
- Na+
- Ca2+
- Cl-
- HCO3-
- H2PO4-
解答:2
電解質の問題です。
Ca2+は、筋収縮や神経伝導などに関与しており、セカンドメッセンジャーとしての働きも持っています。Ca2+の濃度低下はテタニーを引き起こします。
AM 34(臨床化学)
誤っているのはどれか。
- 妊娠糖尿病ではインスリン抵抗性が低い。
- HbA1c の生成にはアマドリ転移が関与する。
- 腎臓の糖排泄閾値は 160~180 mg/dL である。
- ムタロターゼはグルコースの α 型から β 型への変換を行う。
- SGLT2〈Sodium-glucose co-transporter 2〉は近位尿細管に存在する。
解答:1
糖に関する問題です。かなり細かい知識も問われています。
まずはHbA1cについてです。HbA1cは、非酵素的にHbが糖化されて生じます。具体的には、HbAのβ鎖N末端バリンのアミノ基にグルコースがシッフ塩基結合して不安定型HbA1cを生じ、アマドリ転換して安定型HbA1cを形成します。
測定は陽イオン交換樹脂を用いた高速液体クロマトグラフィ(HPLC)法で行われます。HbA1cは過去1~2週間の平均血糖値を反映します。
このHbA1cは血糖値との間に不一致が生じる(=HbA1cの偽高値・偽低値を認める)ことがあります。
- HbA1cが偽高値を示す
- 尿毒症(カルバミル化Hb)
- アスピリンやビタミンCの大量摂取(アセチル化Hb)
- アルコール依存症(アルデヒド化Hb)
- 乳び血症
- 高ビリルビン血症
- ヘモグロビン異常症(陰性荷電Hb)
- HbA1cが偽低値を示す
- 出血(赤血球の消失による)
- 溶血性貧血(脾臓の機能亢進により糖化したHbを持つ赤血球の減少による)
- 輸血後(まだ糖化されていないHbを持つ赤血球の増加による)
- ヘモグロビン異常症(陽性荷電Hb)
HbA1cは臨床化学の中でもかなり問われやすいので、ポイントを押さえていきましょう!
また、腎臓の糖排泄閾値は160~180mg/dLであり、これを超えると尿糖として排泄されます。SGLT2〈Sodium-glucose co-transporter 2〉が近位尿細管において糸球体で濾過されたグルコースを再吸収しています。
ここからは糖尿病について少し説明したいと思います。
糖尿病は、成因によって1型糖尿病、2型糖尿病、特定の機序・疾患によるもの、妊娠糖尿病の4つに分類されます。
1型糖尿病:膵臓ランゲルハンスβ細胞の破壊が原因。自己免疫性と特発性に分類される。インスリンが分泌されない。
2型糖尿病:遺伝因子と環境因子が関与し、多くの患者の場合、生活習慣上の問題を抱えている。インスリン抵抗性の増大にインスリン分泌不全が加わったもの。
特定の機序・疾患による糖尿病:遺伝子異常によるもの、内分泌疾患、薬剤などによるもの。
妊娠糖尿病:妊娠中に初めて発見または発症して糖尿病には至っていない糖代謝異常を指す。インスリン抵抗性が高い。
さらに、ㇺタロターゼは、グルコース測定においてα-D-グルコースをβ-D-グルコースに変換します。
α-D-グルコース → β-D-グルコース
β-D-グルコース+O2+H2O → D-グルコン酸+H2O2 (GOD:グルコースオキシダーゼ)
浅く広く解説してみました。もし再び出題されればそれぞれの項目についてより詳しく説明したいと思います!
AM 35(臨床化学)
グリセロール骨格構造を含むのはどれか。 2 つ選べ。
- レチノール
- アラキドン酸
- トリグリセライド
- スフィンゴミエリン
- ホスファチジルエタノールアミン
解答:3,5
構造の問題です。
グリセロール骨格を含むものにはトリグリセライド(TG)、グリセロリン脂質などがあります。グリセロリン脂質には以下の6種類があります。
レシチン(ホスファチジルコリン) ホスファチジルイノシトール ホスファチジルセリン セファリン(ホスファチジルエタノールアミン) カルジオリピン(ジホスファチジルグリセロール) リゾレシチン(リゾホスファチジルコリン)
レチノールはビタミンA誘導体、アラキドン酸は多価不飽和脂肪酸、スフィンゴミエリンはスフィンゴリン脂質にそれぞれ分類されます。
AM 36(臨床化学)
実効線量を表す単位はどれか。
- Bq
- C・kg-1
- eV
- Gy
- Sv
解答:5
放射線に関する問題です。実効線量やら吸収線量やら似た名前のものが多いので、下にまとめておきます。
放射能:放射線を出す能力を表し、単位はBq(ベクレル)
照射線量:空気中の光子の電離能力を表し、単位はC/Kg(クーロン パー キログラム)
等価線量:放射線が人体に及ぼす影響の違いを加味した値で、単位はSv(シーベルト)
吸収線量:ある物質が放射線から与えられるエネルギーを表し、単位はGy(グレイ)
実効線量:全身的な被ばく線量を表し、単位はSv(シーベルト)
線量当量:放射線の種類による生物に対する影響の違いを加味した値で、単位はSv(シーベルト)
エネルギー:放射線のエネルギーを表し、単位はeV(エレクトロンボルト)
放射線についての問題はそこまで重要度が高くないものが多いので、余裕があれば取り組みましょう。
AM 37(臨床化学)
塩基性アミノ酸はどれか。 2 つ選べ。
- プロリン
- アルギニン
- ヒスチジン
- メチオニン
- トリプトファン
解答:2,3
アミノ酸の問題です。臨床化学の分野では特に重要なので必ず覚えておきましょう!
アミノ酸の分類と特徴をまとめました!アミノ酸は20種類あります。
| アミノ酸の分類 | 名称 | 特徴 | |
|---|---|---|---|
| 中性アミノ酸 | グリシン アラニン | グリシンは不斉炭素原子を持たない | |
| 分枝鎖アミノ酸 | バリン ロイシン イソロイシン | ||
| 水酸基アミノ酸 | セリン スレオニン | -OH基(水酸基)を持つ | |
| 含硫アミノ酸 | システイン メチオニン | システインはS-S結合を作る メチオニンはタンパク質合成開始アミノ酸 | |
| アミド性アミノ酸 | アスパラギン グルタミン | ||
| イミノ酸 | プロリン | ||
| 芳香族アミノ酸 | フェニルアラニン トリプトファン チロシン | 280nmの紫外線を吸収 チロシンは-OH基(水酸基)を持つ トリプトファンはインドール核を持つ | |
| 酸性アミノ酸 | グルタミン酸 アスパラギン酸 | 側鎖にカルボキシ基がある | |
| 塩基性アミノ酸 | リジン ヒスチジン アルギニン | 側鎖にアミノ基がある | |
また、20種類のアミノ酸のうち体内で合成できないアミノ酸(9種類)を特に必須アミノ酸と呼びます。有名な語呂合わせもあると思うので、確実に覚えましょう。
フェニルアラニン ロイシン バリン イソロイシン スレオニン ヒスチジン トリプトファン リジン メチオニン
AM 38(臨床化学)
溶液 A を 30 倍希釈して吸光度を測定したとき、0.300 であった。この物質の測定波長におけるモル吸光係数を 6,000 L・mol-1・cm-1 とすると、溶液 A の濃度は何 mmol/L か。ただし、使用した光路長は 1.0 cm とする。
- 0.15
- 1.5
- 15
- 150
- 1,500
解答:2
ランベルト・ベールの法則を用いた計算問題です。この法則から導き出される式は必ず覚えましょう。
A=ε・C・d
A:吸光度 ε:モル吸光係数(L・mol-1・㎝-1) C:濃度(mol/L) d:光路長(㎝)
ランベルト・ベールの法則は、吸光度をA、モル吸光係数をε、濃度をC、光路長をdとすると、
A=ε・C・d と表されます。
また、試料量をv、最終液量をV、xを目的成分濃度とすると、濃度CはC=(v/V)・xと分解することができるので
A=ε・C・d=ε・(v/V)・x・dと変形できます。
問題文から、吸光度Aは0.300、モル吸光係数εは6000、光路長dは1㎝と与えられているので、
0.300=6000・(v/V)・x・1 となります。
そして今回、30倍希釈されていることからv/V=1/30と分かり、
0.300=6000・(1/30)・x・1 となり、これを解いて x=1.5×10-3 mol
単位を揃えて 1.5 mmol となります。
30倍希釈のところで、v/V=1/30ということに気付けるとGoodです!
このような計算問題は苦手な方が多いと思うので、もしご要望あれば計算問題特集を組みたいと思います!
AM 39(臨床化学)
MALDI-TOF-MS による物質測定で正しいのはどれか。
- 分子量の大きい物質ほど早く飛行する。
- 飛行速度は物質の電荷の影響を受けない。
- 測定対象物質は大気圧の空気中を飛行する。
- イオン化はレーザーのパルス照射により行う。
- タンデム質量分析装置は 2 台の質量分析部を並列に接続する。
解答:4
MALDI-TOF-MS(質量分析装置)に関する問題です。少し細かい知識まで問われています。
まず、マススペクトロメトリ(MS)は物質を構成する原子や分子をイオンとして取り出してその質量と数を測定し、物質の同定などを行う方法です。現在では微生物分野(病原微生物同定)でも使われています。
質量分析計は試料導入部、イオン化部、質量分析部、検出部、真空排気部、データ処理部から構成されます。
試料導入部で導入された分子をイオン化する方法は様々ありますが、ここではMALDI法についてお話します。
MALDI法は、試料と過剰のマトリックスを混合したものに対してレーザをパルス照射することでイオン化します。
これにより生じたイオンは質量分析部に送られ、質量/電荷比(m/z)に応じて分離されます。イオンは超高真空中をm/zに応じた速度vで飛行します。
飛行時間型質量分析(TOF-MS)法ではm/zの違いにより飛行時間が異なることを利用してイオンを分離します。m/zが小さいイオンほど速く、逆にm/zが大きいイオンほど遅れて検出器に到達します。
以上により得られたデータから物質の同定などを行います。
また、2台の質量分析計を直列に接続した装置をタンデム質量分析計(MS/MS)といい、多くの成分を含む試料の分析に有利な方法です。
AM 40(臨床化学)
ALP アイソザイムについて誤っているのはどれか。
- 胎盤型は耐熱性である。
- 骨型は成人よりも小児で高い。
- 小腸型は高脂肪食で上昇する。
- 高分子肝型は閉塞性黄疸で上昇する。
- 免疫グロブリン結合型は電気泳動で最も陽極側に検出される。
解答:5
ALPに関する問題です。
ALP(アルカリホスファターゼ)は有機リン酸モノエステルを加水分解する酵素で、至適pHがアルカリ性側にあるものを指します。膜結合酵素の1種類で、活性中心にZn2+を有し、Mg2+により活性化されます。
JSCC勧告法ではAMP(2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール)を緩衝液としています。また、抗凝固剤にEDTAを用いた場合、金属イオンキレート作用により偽低値を示します。
基準範囲は成人で38~113U/L、小児では骨の新生が活発なため成人の3倍ほどの活性値を示します。
アイソザイムは6種類存在し、それぞれ高分子肝型ALP(ALP1)、肝型ALP(ALP2)、骨型ALP(ALP3)、胎盤型ALP(ALP4)、小腸型ALP(ALP5)、免疫グロブリン結合型ALP(ALP6)に分けられます。
それぞれのアイソザイムと臨床的意義を表にまとめます。
| ALPアイソザイム | 臨床的意義 | 備考 |
|---|---|---|
| 高分子肝型ALP(ALP1) | 閉塞性黄疸で著増 | セルロースアセテート膜電気泳動では最も陽極側 ポリアクリルアミドゲル電気泳動では最も陰極側 |
| 肝型ALP(ALP2) | 肝胆道系疾患でALP著増 | 健常者主要アイソザイム |
| 骨型ALP(ALP3) | 悪性腫瘍の骨転移、甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能亢進症、骨折修復時などで高値 | 健常者主要アイソザイム |
| 胎盤型ALP(ALP4) | 妊娠後期に上昇 異常妊娠や流産で低値 | 耐熱性(65℃、10分間で不活化しない) |
| 小腸型ALP(ALP5) | 肝硬変、腎不全、糖尿病などで上昇 | 血液型依存性高ALP血症(B型・O型)の原因 L-フェニルアラニンで阻害される |
| 免疫グロブリン結合型ALP(ALP6) | 潰瘍性大腸炎で高値 | セルロースアセテート膜電気泳動では最も陰極側 |
ALPはアイソザイムの種類が多いので、よく出るところから確実に覚えていきましょう!
AM 41(臨床化学)
二重の膜構造を有するのはどれか。 2 つ選べ。
- 核
- ゴルジ体
- リソソーム
- ミトコンドリア
- ペルオキシソーム
解答:1,4
細胞小器官と膜構造に関する問題です。以下のことだけ覚えておけば大丈夫です。
二重膜をもつ:核 ミトコンドリア
膜構造を持たない:リボソーム
残りの細胞小器官(ゴルジ体、リソソームやペルオキシソームなど)は一重膜を持ちます。しかし、リボソームは2つのサブユニットからなり、膜構造を持ちません。
AM 42(臨床化学)
血中 LD/AST 比が 1 のとき、最も考えられるのはどれか。
- 白血病
- 急性肝炎
- 心筋梗塞
- 多発性筋炎
- 溶血性貧血
解答:2
LD/AST比の問題です。
LD、ASTは特異性が低い酵素ですが、この両者を利用することでアイソザイム検査を行うことなく損傷のある臓器や組織を推定することができます。
LD/AST比が20以上:悪性貧血 白血病 溶血性貧血 悪性腫瘍
LD/AST比が5~20:心筋梗塞 筋ジストロフィ 多発性筋炎 膠原病
LD/AST比が5以下:急性肝炎 慢性肝炎
ざっくりと、貧血系はLD/AST比20以上、筋肉系は5~20、肝炎は5以下と覚えておけば大丈夫です。
しかし、なぜこのような値になるのか気になる方もいると思いますので、軽く説明します。
悪性貧血や溶血性貧血などの貧血系疾患では、LDがASTよりも多く赤血球内に存在(特にLD1、LD2が多い)するため、LD/AST比が20を超えます。
しかし、肝炎では肝臓に多く存在するLD5の半減期がASTより短いため、LD/AST比は5以下となります。
心筋梗塞では、心筋に多く含まれるLD1の半減期が長いためLD/AST比は比較的高値(5~20)を示します。
この疾患ではLD/AST比がこの値に必ずなるというわけではないので、大体のイメージで覚えておけば大丈夫です。
AM 43(臨床化学)
欠乏すると巨赤芽球性貧血を引き起こすのはどれか。 2 つ選べ。
- 葉 酸
- ビタミン B6
- ビタミン B12
- ビタミン C
- ビタミン K
解答:1,3
ビタミンと欠乏症の問題です。ビタミンとは、ヒトが必要とする栄養のうち「有機化合物でかつ微量の摂取が不可欠な栄養素」です。そのため、ビタミンには欠乏症が存在します。
| 名称 | 水溶性/脂溶性 | 働き | 欠乏症 |
|---|---|---|---|
| ビタミンA | 脂溶性 | 視覚の正常化 | 夜盲症 |
| ビタミンB1 | 水溶性 | 脚気 ウェルニッケ脳症 | |
| ビタミンB2 | 水溶性 | 口内炎 | |
| ビタミンB6 | 水溶性 | アミノトランスフェラーゼの補酵素 | ビタミンB6依存性貧血 |
| ビタミンB12 | 水溶性 | 悪性貧血 | |
| ビタミンC | 水溶性 | 壊血病 | |
| ビタミンD | 脂溶性 | 骨代謝に関与 | くる病 骨軟化症 骨粗鬆症 |
| ビタミンE | 脂溶性 | 多価不飽和脂肪酸の酸化防止 | 溶血性貧血 |
| ビタミンK | 脂溶性 | 凝固因子の産生に関与 | 新生児メレナ |
| ナイアシン | 水溶性 | ペラグラ Hartnup病 | |
| 葉酸 | 水溶性 | 巨赤芽球性貧血 神経管閉鎖障害 | |
| パントテン酸 | 水溶性 | 貧血 | |
| ビオチン | 水溶性 | 皮膚炎 |
AM 44(臨床化学)
ビタミン B6 の誘導体を補酵素とするのはどれか。
- ALP
- AMY
- AST
- LD
- γ-GT
解答:3
ビタミンと補酵素の問題です。
ビタミンB6の誘導体であるピリドキサルリン酸(PLP)は、ASTとALTの補酵素として働きます。
LDは、NADおよびNADH(両者ともナイアシンの誘導体)を補酵素とします。
他のビタミンにも補酵素として働くものがありますが、国試レベルで出題されるのは上記の2種類だと思います。
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